エルメスUSA(HERMES USA)は、5月26日(日)~28日(火)に全米の店舗を休業し、750人の従業員が一堂に会するイベントをニューヨークの「マリオット マーキーズ ホテル(MARRIOTT MARQUIS HOTEL)」で行った。
同社内で非公式に“エルメスファミリー懇親会”と名付けられたこのイベントについて、ロバート・チャベス(Robert Chavez)=エルメスUSA社長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社はファミリーとコミュニティーを大切にしており、全員が1カ所に集まって交流できたのは素晴らしい体験だった。会社や事業は大きくなったが、従業員の一人ひとりを変わらず大切に思っていることを伝えたかったし、互いにつながっていることを感じてほしかった」と開催の意図を語った。
イベントの開催費用は明かされていないが、「それなりにかかっている」という。店舗スタッフも参加できるように全米の店を3日間休業とした上、旅費や宿泊費も会社が負担していることを考えるとかなりの額に上るだろう。チャベスCEOは、「売り上げが減ることは分かっているが、そういう問題ではない。取引先には3日間休業することを事前に知らせており、温かなご理解をいただいた。店舗スタッフが懇親会に参加できることを取引先も喜んでくれた」と述べた。懇親会の趣旨については、「ビジネスのためではなく、当社のカルチャーを称え、従業員同士が互いに知り合うために開いた。普段、電話やメールでやりとりしている相手の顔が分かるのはいいことだ。また倉庫スタッフや損失防止チームなど、舞台裏で一生懸命に働いてくれている従業員をねぎらいたかった」と話した。
アクセル・デュマ(Axel Dumas)=エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL)CEOと、エルメス創業家の6代目であるギョーム・ドゥ・セーヌ(Guillaume de Seynes)同エグゼクティブ・バイス・プレジデントも、このためにパリから駆け付けた。「2人は『エルメス』の歴史や、会社が行っている社会的責任に関する活動について話してくれた」とチャベスCEO。
なお、エルメスUSAは2011年にも同様のイベントを開催しており、その際は500人の従業員がニュージャージーに集まっている。今回の懇親会の準備には1年ほどかかったという。チャベスCEOは、「全米各地からニューヨークに750人もの人間を集めるのは簡単なことではない。しかし大きな反響があり、開催した価値があったとうれしく思っている」と締めくくった。