ファッション

アーバンリサーチのダウンが全て“循環型”に 19-20年秋冬は6万着を生産

 アーバンリサーチは、2018年度に店頭で回収したダウン製品の羽毛をリサイクルして19-20年秋冬向けに新たなダウン製品を生産・販売する。同社が生産するダウン製品は全てリサイクルダウンになる。これは“羽毛の循環”を推進する「グリーンダウンプロジェクト(Green Down Project)」の一員として、リサイクル羽毛での商品企画に積極的に取り組む姿勢を示したもの。

 アーバンリサーチは、「グリーンダウンプロジェクト」設立当初の15年から賛同し、不要なダウン製品を店頭で回収してきた。齊藤悟・事業支援本部販売促進部URBAN TUBE編集部シニアマネージャーは、「18年度は当社の約150の販売拠点で羽毛を回収し、リサイクルダウン約10トン分を使用して製品を作った。これはダウンジャケット6万枚分に相当する」と言う。

 とはいえ、回収を始めた当初は認知度が低く、回収量も少なかった。「ダウンを購入されたお客さまにスタッフがリサイクルできることを伝えてきたことで、認知度も上がった。毎年回収量が倍増している」という。

 回収した羽毛は新毛と同じ洗浄ラインを通じて汚れやほこりを取り除くため、リサイクル羽毛の方が、安全だといわれている。さらに、長年使用することで羽毛同士が擦れ合ううちに、残留垢が剥がれ落ちるという。そのため、回収後に洗浄することで、新毛よりもきれいなグリーンダウンに生まれ変わるといわれている。このプロジェクトで羽毛洗浄を担うのは、トップレベルの技術を持つ河田フェザーだ。

 実は洗浄コストは安くはない。「正直な話、新毛を購入するよりも高い。しかし当社としてはSDGs(持続可能な開発目標)への意識の高まりと、安全性や透明性の観点からグリーンダウンを推進していく。価格を新毛同様に抑えるために、中国に現地法人をつくり、商社を通さず直接工場とやり取りをするなど、他の部分でコストをカットする努力を重ねて、2万~3万8000円と新毛と同価格を実現している」と語る。

 「グリーンダウンプロジェクト」は15年設立の一般社団法人。羽毛製品を回収し、ダウンを抜き出して洗浄し、ダウンジャケットなどの羽毛製品として生まれ変わらせるという循環型システムを作った。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。