ファッション

インスタグラムのEC機能導入から1年 売れるブランドの傾向は?

 インスタグラムは、6月8、9日の2日間限定でショッピング機能の日本上陸1周年を記念した期間限定店を東京・原宿にオープンした。リアル店舗の出店は既にロンドンで行っているが、日本では今回が初。店舗には、ボタニカルヘアケアブランドの「ボタニスト(BOTANIST)」や小柄な女性向けファッションブランドの「コヒナ(COHINA)」など、ショッピング機能を実際に利用している8ブランドが出店。インスタグラムを活用し、規模を拡大しているブランドにリアルで顧客と接する場を提供した。ショッピング機能の認知拡大やオフラインでの“場の提供”などが今回の期間限定店の狙いだ。

 オープンの前日には、EC構築支援サービスを提供するBASEや出店ブランドの「コヒナ」「ボタニスト」を招き、関係者に向けて同機能の最新動向に関するプレゼンテーションを行った。「ボタニスト」はショッピング機能導入後、ECサイトへの流入が約7倍、顧客が一生涯にどの程度の利益をもたらすかを表すLTV(Life Time Value)が通常の人の3倍になったという。また、「コヒナ」は「どこで買えるのか」といった商品の問い合わせが減少。「コーディネート投稿などからそのままECサイトに飛べることから、ユーザー再度もストレスや疑問点が減ったのだろう」と清水葵「コヒナ」ディレクターは分析する。

 ショッピング機能で実際に売り上げにつなげているブランドの共通しているのが、インスタグラムの機能を総合的に利用し、ユーザーとのコミュニケーションを頻繁に取っている点だ。同社広報によると「インスタライブやストーリーズ機能など、さまざまなツールを試行錯誤しながら使っているブランドの商品が売れていることが多い。今回の期間限定店に出店していただいたブランドも、そういったブランドを中心に集めた」という。実際に「コヒナ」や「ボタニスト」はインスタライブでユーザーの意見をくみ取り、商品開発に生かしている。

 インスタグラムにとって日本は非常に重要な市場となっている。同社の発表によると、ハッシュタグ検索の回数はグローバルと比較して約3倍。ショッピング機能においても、商品詳細ページを訪れる数は世界でもトップクラスで、日本のユーザーの購入意欲の高さが伺える。「ローンチ初期からユーザー数が多かったうえ、利用者数の増加率やエンゲージメント率も高し水準にある。特に日本ではモノの発見から行動まで一気通貫して利用されている印象を受ける」とインスタグラム広報。今年の夏以降には、米国以外初となるプロダクト開発チームを日本に設置する予定だ。

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