美容ディーラー大手のフジシンは6月11日、神奈川・横浜文化体育館で、ヘアコンテスト「ジャパンカップ 2019 第41回ヘアカッティングコンテスト」を開催した。毎年恒例のコンテストだが、今回の最優秀作品からは、最近のヘアカットコンテストで勝つために必要な“3つの要素”が顕著に読み取れたため、ここに紹介する。
これはヘアカットとスタイリングを競うコンテストで、41回目を迎えた今では、全国のヘアサロンから出場者が1000人を超えるビッグイベントに成長した。今回は“SHINKA 史上最高のデザインをはじめよう。”というテーマのもと、ヘアサロン業界を代表する著名人を審査員として迎え、モデル部門やウィッグ部門など各部門で出場者が競った。
中でも最も注目度の高いモデル部門(レディーズ)は、35分間の競技時間で、カットとスタイリング技術を駆使してモデルを仕上げるというもの。今回は厳正なる審査の結果、「ウミトス(UMiTOS)」の渡邊なつき副店長が最優秀ジャパンカップ賞に輝いた。その作品から感じた、最近のヘアカットコンテストで勝つために必要な3つの要素とは、以下のようなことだ。
1つは“大胆なカット”だ。ヘアコンテストは競技時間が決まっている一発勝負であるため、「できれば無難にすませたい」という心理が働き、最小限のカットですませる競技者も少なくない。そうした自信のなさは審査員も見抜いているため、「床に落ちている髪の量もチェックのポイント」とする審査員も多い。その点、今回の最優秀作品は、顏まわりを大胆にカットした作品だった。審査員を務めた原田忠・資生堂トップヘアメイクアップアーティストは「あまりに思い切ったカットをしているので、競技の最中から目が釘付けになってしまった」と同作品を評している。
2つ目は“ヘア以外へのこだわり”だ。今回の最優秀作品は“衣装”を評価する声も多く、トータルバランスの良さも勝敗を分けたポイントの1つだ。原田トップヘアメイクアップアーティストも「審査に迷ったら服やネイルを見るようにしている」と話しているように、ハイレベルな大会になればなるほど、ヘア以外へのこだわりも評価の対象となるようだ。
3つ目は“モデルとの信頼関係”だ。1つ目の要素の“大胆なカット”にも関連することだが、モデルと競技者との間に信頼関係が築けていなければ、大胆なカットはやらせてもらえない。できたとしても、モデルに「どんな髪型にされるんだろう……」という不安があれば、それが表情に出てしまい、ランウエイがあればその動きにも影響してしまう。最優秀ジャパンカップ賞の渡邊副店長は、今回のモデルとは何度も話し合いを重ね、その中で築いた関係性は審査員にも「モデルとの信頼関係を感じた」(原田トップヘアメイクアップアーティスト)と言わせるほど。その関係性が、審査員に好印象を与えたことは言うまでもない。