ユニリーバ・ジャパンは6月27日、CSR活動「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」の新計画を発表した。近年問題視されている海洋プラスチック問題を踏まえ、“脱プラ”を包括的にアプローチ。まずは2019年下期新製品のうち8月5日から発売する「ラックス(LUX)」「ダヴ(DOVE)」「クリア(CLEAR)」の3ブランドで、再生プラスチックを最大95%使用した新パッケージを順次採用する。また、20年までに技術的に切り替えが困難な着色剤などの添加物を除き、PET素材のボトルを100%再生プラスチックに差し替える。これにより、年間5200万本相当を資源として利用できるほか、1300トンのCO2排出を削減できる見込み。
同社は“脱プラ”について「プラスチックを減らす」「リサイクルや堆肥化しやすい素材に変える」「プラスチックを使わない」を柱にする。高橋康巳ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング社長は「減らす取り組みについては、日本では “詰め替え”の文化が根付き、世界の中でも進んでいる。そのため、まずは再利用に力を入れる」と説明した。
前述3ブランドのほか、10月に発売する新ブランドも再生可能パッケージを使用する。加えて、新製品発売やリニューアルの予定がない既存ブランドも順次切り替える。
ユニリーバは以前からグローバルで脱プラの取り組みを進めており、今回の施策は本国が17年1月に打ち立てていたが、日本では約2年半遅れの発表となった。遅れた要因としては各サプライヤーとの連携や新パッケージの開発、目標到達可能な原材料や容器の確保などがあったほか、各家庭から出されるゴミから容器を回収する体制作りにも時間を要したという。
中川晋太郎・ホーム&パーソナルケア マーケティングダイレクターは「この取り組みは化粧品業界では国内最大級だと自負している。また、これを機に競合他社も再生プラスチックを取り入れる動きが進むよう願っている」と語り、「最終的には『再生プラスチックではないなら買わない』というところまでお客さまの意識が変わるよう、働きかけていきたい」と述べた。