ジュンのコト消費型の販売イベントの第2弾「ジュンの縁日」が12日、東京・恵比寿のエビス 303で開幕した(14日まで)。昨年11月に南青山で開催した「ジュンの文化祭」の夏バージョン。グループ内のブランドの限定品・先行販売商品の売り場やお笑いライブ、夏ならではのお化け屋敷など、お楽しみ企画てんこ盛りの一日を体験した。
会場に到着したのは13時すぎ。お腹が空いていたのでフードコーナーへ直行し「グルーグルー リーファー(GLOU GLOU REEFER)」のローストビーフ丼(650円)をいただいた。食後は、大阪のG20でも振る舞われたシャトージュンのワイン、“甲州 2018”(グラスで400円)を初体験。洋ナシ、柑橘のフレーバーが特徴の辛口ワインだ。ワインは数えるほどしか飲んだことがない記者でも、鼻を抜ける豊かな香りと適度な酸味で率直に「おいしい」と感じられた。
ワインを片手に、アパレルの物販コーナーへ向かう。縁日の屋台を模した売り場では、女優の泉里香とコラボした「ビス(VIS)」のTシャツや16歳のDJ・ダンサーとして話題のSASUKEと「ジュンレッド(JUNRED)」のコラボグッズなど、ここでしか手に入らないアイテムがずらり。年内でブランドを終了する「メゾン ド リーファー(MAISON DE REEFUR)」のブースには、限定の“リンカチャンキーホルダー”を求める女性たちが長蛇の列を作っていた。
屋台を抜けた先はエンターテイメントコーナー。夏ならではのお化け屋敷企画「針子のささやき」ではヘッドホンを装着して薄暗い部屋に招かれる。この先は体験してみてのお楽しみだが、ホラーに耐性のある記者も思わず声を上げてしまったほどだった。お化け屋敷を出ると、ステージではカレー好き芸人のロバート馬場裕之さんらによるトークショーが始まっていた。「スパイスは自分ですりつぶしている」「(スパイスの)カルダモンは香水にしたいくらい好き」というディープなカレートークで会場を置き去りにしていた。
フードやエンタメなどを楽しんでいると、自然と気分も上がって購買意欲も高まるのは事実だ。実際、記者は芸人のハリウッドザコシショウさんの限定コラボTシャツ(3980円)を購入してしまった。3日目のソロライブも見に行くつもりだ。ファッションを「かっこよさ」で訴求するのではなく、まず買い物体験を楽しんでもらうことを入り口にするジュンの手法に感服した。
ジュンは、昨年11月に実施した第1回の「ジュンの文化祭」をあくまでプロモーションの一環として実施したが、好評を受けて小売りとエンタメを融合した「リテールテイメント事業部」を立ち上げ、収益化を目指している。佐々木進社長は「ファッションだから『かっこよくなきゃいけない』という業界の発想を変える」と意気込む。今回は手ぶらで買い物やエンタメコンテンツを思い切り楽しめるようキャッシュレス決済を導入してブラッシュアップした。今後は開催場所を増やしたり、趣旨を変えたりしながら規模を拡大する。「物販とコト提案型ビジネスの収益が半々になってもいい」という本気度だ。「われわれが目指すのはいわばファッションの民主化。エンタメやフードなどのコト提案で接点を増やし、ファッションの魅力を興味のない人にも分かりやすく伝えていく」。