ゴールドウイン、日本ゴア、DACホールディングスは、南極犬ぞり横断30周年記念として、環境と平和の大切さ、チャレンジスピリットの重要性をつなぐプロジェクト「シンク サウス フォー ザ ネクスト(THINK SOUTH FOR THE NEXT)」を7月27日に開始する。初年度は2020年3月3日まで。
30年前の7月27日は、舟津圭三をはじめとする各国の6人の冒険家が世界で初めて南極犬ぞり横断へと出発した日。同プロジェクトは当時彼らが南極で目の当たりにした環境問題にあらためて注目し、次世代へ継承することを目的とするものだ。
11月には冒険家6人が日本に集まりイベントを実施する。11月4日に北海道仁木町で講演会、10日に東京国際フォーラムでシンポジウム、11日に都内公立中学校で特別授業を開催するほか、シンポジウムでは南極大陸横断を追ったドキュメンタリー映画「トランス アトランティカ エクスペディション(Trans-Antarctica Expedition)」を日本初上映する。
プロジェクトを後援している国立極地研究所の白石和行名誉教授は、「地球温暖化の影響で、30年後の現在では彼らが犬ぞりで走ったラーセンB棚氷も消滅している」と警鐘を鳴らす。南極地域は平和的利用や科学調査などを定めた“南極条約”に守られているが、「気候変動の波にはあらがえない。地球上で起こる気候変動の現象はまず極地で発生するといわれている」と語る。
同ブロジェクトでは、当時冒険家たちが発信した環境と平和を訴えるメッセージ“THINK SOUTH”を掲げ、現状をより多くの人に発信して、環境問題とそれに対するアクションについて考える機会を広めていく。