イタリア・ミラノ発ジュエラー「ポメラート(POMELLATO)」の旗艦店が7月20日、東京・銀座にオープンした。同ブランドは“ジュエリーのプレタポルテ”をうたい、日々着用して楽しめるジュエリーを提案する。カラフルな色石を用いた「ポメラート」では創業50周年の2017年に「ポメラート・フォー・ウィメン(#PomellatoForWomen)」というキャンペーンをスタート。女性のエンパワーメントを目的とした同キャンペーンに登場するのはフォトグラファーやコンサルタント、DJなどさまざまな業界で活躍する女性だ。旗艦店のオープニングには、ブランドアンバサダーのキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)が来日してテープカットを行った。フェラーニをはじめ、キャンペーンに登場する女性を起用したのはサビーナ・ベッリ(Sabina Belli)=ポメラート最高経営責任者(CEO)だ。同CEOにブランドの強みやキャンペーンについて聞いた。
WWD:このタイミングで東京・銀座に旗艦店をオープンした理由は?
サビーナ・ベッリ=ポメラートCEO(以下、ベッリ):銀座の並木通りは世界的なショッピングの目的地。何年も探していたがいい物件が見つからなかった。ところが急にふさわしい場所が見つかったからあわてて契約した。内装も急いでスピード出店にこぎつけた。並木通りに出店できて誇りに思っている。
WWD:旗艦店の役割は何だと思うか?
ベッリ:百貨店のコーナーでは伝えられないブランドの世界観を伝える場所。旗艦店は「ポメラート」の家のようなもの。だから、ソファやクッション、ミラーなどインテリアにはこだわった。ここで、ゆったりとジュエリーやクラフツマンシップ、石の魅力などを伝えることが大切。
WWD:日本における現在の直営店と卸先の数は?
ベッリ:直営店は旗艦店を含めて10店舗。卸は専門店が7店舗。パートナーは厳選している。
WWD:ベストセラーは?
ベッリ:“ヌード”よ。誕生してから25年になるけど圧倒的な人気がある。アメリカの顧客で12個“ヌード”を持っている人がいて、スペシャルボックスを作ったこともある。重ねづけしたり、いろいろな組み合わせが可能だから遊び感覚で楽しめるのよ。私も“ヌード”は全部欲しいくらいよ。私が初めて“ヌード”を買ったのは2004年。その後に仕事で昇格して2つ“ヌード”を買い足した。アメシストとアクアマリン、プラジオライトの3種類を持っているわ。以前は、ジュエリーは男性に買ってもらうものだった。ジュエリーを自分で買うということは、バッグやシューズを買うのとは違う。自分で選んで購入したジュエリーにはギフトよりも、そしてバッグやシューズよりも強い絆を感じるはず。現代女性は仕事を持ち、社交し、妻や母としての役割があるから超多忙でしょ。女性がジュエリーを自分のために購入するということは究極の自由を象徴していると思う。
WWD:「ポメラート」が他のジュエリーブランドと違う点は?
ベッリ:色がとても重要な要素を占めている。カラーのクリエイティビティーに長けていることと、クラフツマンシップによって仕上げられるセンシュアルなフォーム、イタリアらしい点。そして、日常的に朝から夜までつけられるファインジュエリーだという点。特別な時につけて、あとは金庫にしまっておくようなジュエリーではない。だから愛着も湧く。
WWD:さまざまなキャリアを持つ女性をキャンペーンに起用した理由は?
ベッリ:クラシックなモデルよりは、自分の人生を生きている女性の方が多くの女性から共感を得られるから。キアラはデジタル・アントレプレナーで、ポメラートウーマンを象徴する存在よ。
WWD:これからのラグジュアリービジネスに求められることは何か?
ベッリ:ミレニアル世代にとって、環境やサステイナビリティーは必須事項。その分野でラグジュアリー業界は重要な役割を担っていかなければならない。そういう意味でもケリング(KERING)の傘下であることはとても誇らしい。これからのラグジュアリーに必要なことは、その時代や世代にとって価値のあるものを提供できるかという点。15年前、ラグジュアリーは一部エリートのものだった。今は、若者が「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のスニーカーを履く時代。だから、商品と経験ともに新しい世代にアピールするものを作り出さなければならない。