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高級ECのファーフェッチ、第2四半期は94億円の赤字 株価も大幅下落

 ラグジュアリーEC大手ファーフェッチ(FARFETCH)の2019年4~6月期決算は、流通総額(GMV)が前年同期比44.2%増の4億8847万ドル(約517億円)、売上高が同42.6%増の2億926万ドル(約221億円)と増収になったものの、営業損失が同3680万ドル(約39億円)から9580万ドル(約101億円)に、純損失が同1768万ドル(約18億円)から8962万ドル(約94億円)にと赤字が大幅に拡大した。なお、為替差損が減じたことで純損失が一部補填されている。

 同社は8月8日の決算発表と同日に、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」を傘下に持つニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP以下、NGG)を6億7500万ドル(約715億円)で買収し100%子会社化することを発表したが、その直後から株価が大幅に下落。一時は時間外取引で前日比40.2%安の10.91ドル(約1156円)をつけ、時価総額がおよそ20億ドル(約2120億円)吹き飛んだ。市場が同社の決算内容を嫌気したのか、買収を歓迎しなかった結果なのかは不透明だ。

 ジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「株価についてはコメントしないし、今までもしたことがない。われわれの仕事は、エキサイティングな戦略を実行してビジネスチャンスを生かすことだ」と語った。

 ファーフェッチは15年に英セレクトショップのブラウンズ(BROWNS)を、18年12月にスニーカーのリセールストアであるスタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)を買収している。同社はまた、中国EC第2位のJDドットコム(JD.COM)が運営する中国のラグジュアリーECサイト「トップライフ(TOPLIFE)」をファーフェッチの中国事業と統合し、「プレミア・ラグジュアリー・ゲートウェイ(PREMIER LUXURY GATEWAY)」と改称して運営に乗り出している。

 ネヴェスCEOは、「当社はラグジュアリー分野のグローバルなプラットフォーム作りに邁進しており、買収はその手段の一つだ。世界中の一流ブランドが当社と提携してくれるのは、当社がそうしたプラットフォームとして成功している証しだと思う」と述べた。

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