暑さの盛りですが、秋トレンドを占う2019-20年秋冬向け展示会では、あちこちでアニマル柄が提案されていました。今秋の3大モチーフはレオパード(ヒョウ)、パイソン、ゼブラという“攻め柄”トリオ。服だけではなく、バッグや靴にも登場しています。
アニマル柄が盛り上がる背景には、1980~90年代ファッションの復活があります。この秋はクラシカルやエレガンスに加え、グラマラスも重要なムードに浮上。着こなし方も“きれいめ×グラマラス”といった、相反するテイストミックスが軸になりそう。クラシカルな雰囲気の服に、アニマル柄のアイテムを引き合わせるだけで、こなれたコーディネートが実現します。
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たとえば、トゥモローランド(TOMORROWLAND)はレオパード柄のワンピースの上から、クラシックな雰囲気のポンチョをオン。ベレー帽と大ぶりイヤリングでレディーな雰囲気を色濃く演出していました。強いイメージのレオパード柄を、シックに昇華するアレンジが今秋冬のトレンドです。
足元にスパイスを添えるのが、パイソン柄のショートブーツ(写真2枚目)。足元にアニマル柄をワンポイントで迎えれば、ゆるっとした服やシンプル系ファッションでもりりしくキマリます。
このように、人気セレクトショップで提案されているアニマル柄。セレクトショップ以外にも、さまざまなショップやブランドが展示会で打ち出していました。デザインのバリエーションも豊富なので、幅広い世代に受け入れらそう。なかでもレオパード柄はチェック柄や花柄のような定番モチーフの仲間入りを果たしそうな勢いです。今秋の傾向を早速、確かめていきましょう。
◆気張らないテイストミックスで“こなれ感”演出
ロンハーマン(RON HERMAN)は、レオパード柄のフェイクファーコートとタイダイ柄カットソーを“柄オン柄”コーデ。切りっぱなしのデニムボトムスでこなれ感を出しています。足元をブーツにするのが今秋流の合わせ方です。
同じくレオパード柄のフェイクファーコートを用意したのはフリークス ストア(FREAK'S STORE)。ボヘミアンやネイティブアメリカンのテイストミックスコーデです。レオパード柄のおかげでリッチでグラマラスな雰囲気に。
エストネーション(ESTNATION)は、レオパード柄の大きさや模様が異なるアイテムをいくつも取りそろえました。ゼブラ柄も提案。アニマルモチーフを取り入れながらも、エレガンスに仕上げるアレンジが新鮮です。
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◆モノトーン×アニマル柄で、シックにまとめる
東京コレクション参加ブランドは、さらにひねりを加えています。色味を工夫すると、見慣れたアニマル柄が別の雰囲気を帯びます。たとえば、白と黒のシックなカラートーンを主体にすれば、落ち着きや大人っぽさがアップ。「チノ(CINOH)」はレオパード柄のタイトスカートに、黒ニットトップスと白シャツを引き合わせて、全体をスタイリッシュに見せています。
「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」のレオパード柄ファーコートは、黒のタイトスカートと合わせたことで、コートの量感が引き立ちました。ウエストをキュッと絞ったコートのシルエットもボディーラインのメリハリを際立たせます。足元は黒のショートブーツでエレガントに引き締めました。
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◆スポーツやストリートに“アニマルスパイス”投入
スポーティな服やカジュアルなアイテムにアニマル柄をミックスすれば、軽やかなスタイリングに落とし込むことができます。「ジーユー(GU)」はアニマル柄を“差し色”のような使い方で、アクティブな装いに見せる着こなしを提案しています。
例えば、スポーツ系のナイロンブルゾンとレオパード柄のミニスカートをコーディネート。適度な“ずれ感”が見慣れたバランスを揺さぶっています。白のアウターを重ねて、全体のトーンを落ち着かせました。
2枚目はヨガウエア風のスタイリングに、レオパード柄ストールを合わせました。黒と白のミニマルな色使いに、レオパード柄が加わって、一気に動きや華やぎが増しています。巻き物にレオパード柄を生かすと、手軽に秋冬のトレンドムードを取り入れることが可能です。
アニマル柄は目を引くため、小ぶりサイズのアイテムでも装いのアクセントとしては十分です。パイソン柄のミニポシェットは、ストリートライクなデニムルックに合わせてスパイスを添えています。オーバーサイズ気味のゆるっとしたコーデですが、異彩を放つパイソン柄が全体にパワーを与えています。
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アニマル柄はそれ自体に存在感があるので、たった1点取り入れるだけで、装いに弾みがつきます。夏から秋への乗り換えタイミングで取り入れれば、一足先にトレンドを呼び込めそう。癖の強さが気になるなら、まずは小物から試してみましょう。
ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い