大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。
今日のニュース:P.9「ビジネスシーンのカジュアル化が加速。汎用性の高い商品需要高まる」
読み解きポイント:情報伝達を工夫して潜在需要を獲得する
ニュースのポイント
ビジネスとカジュアル兼用のジャケット、シャツの需要が増える一方、既製品スーツが苦戦。「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などは伸長を続けるものの、ストリートブームは、やや沈静化。きれい目ベーシックな上質感のある「ジル サンダー(JIL SANDER)」「オーラリー(AURALEE)」といったブランドが好調。
CKRはこう読む!
「1/3に減」。クールビズの結果、10年間で激減した国内のネクタイ生産量です。日本のメンズドレスは、外部要因によって大きく左右されます。
カジュアル化の加速は、増加するリモートワーク、出張などという外部要因により、着心地よく、取り扱い容易な衣料品が求められていると言い換えられるのではないでしょうか。またオン・オフ「兼用」という点も見逃せません。メンズドレスに限らず、バッグでも「仕事・旅行兼用」「夫婦兼用」など、複数のシーンに対応できる商品に一定の需要が見受けられます。
ここから分かることは、需要の変化に適応しなければ、淘汰されるということです。兼用になれば、2つのものが1つで事足りるようになります。伸縮性のないスーツは、敬遠されることも増えるでしょう。
もちろん、クールビズが叫ばれたとしても「スーツ+ネクタイのスタイルは、バランスが良くて好き」という一定の需要は残っています。ただミクロでなく、マクロで見ると大きな需要変化が起こっていることも事実です。
そこで重要なのは、「届いていない市場にしっかり届ける」という視点なのではないでしょうか。
外部要因によって発生した需要は、本人の意思不在であることも多いです。「カジュアルOKなので、伸縮性のあるパンツを買いたいけれど、どこで、何を買えばよいのかわからない」。こんな情報難民が多数生まれている可能性があります。
紳士服市場をさらに活性化させるためには、良いものを作ることにあわせ、人の生活導線の中に必要とされる情報を置くという、情報デリバリーの工夫も忘れてはなりません。
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CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中