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米百貨店のロード&テイラーを新興サブスク企業が78億円で買収

 カナダの小売り大手のハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)は、傘下の米老舗百貨店チェーンのロード&テイラー(LORD & TAYLOR)をサンフランシスコ発の新興ファッションテック企業ル・トート(LE TOTE)に9950万カナダドル(約78億円)で売却した。HBCはこれに加えて、2年後に現金化できる3320万カナダドル(約26億円)相当の担保付き約束手形と、ル・トートの株式25%を受け取る。

 HBCの2018年度における小売り関連の売上高は94億ドル(約9870億円)で、ロード&テイラーはその14億ドル(約1470億円)程度を占めている。今年に入って、同百貨店はニューヨーク五番街の旗艦店を筆頭に数店舗を閉店していた。ル・トートは残りのおよそ40店舗のうち38店舗とECを引き継ぐほか、ロード&テイラーのブランドと知的財産権を取得している。

 ル・トートは、投資銀行リッジクレスト・キャピタル・パートナーズ(RIDGECREST CAPITAL PARTNERS)出身のブレット・ノーサート(Brett Northart)とラケシュ・トンドン(Rakesh Tondon)が、12年に米カリフォルニア州サンフランシスコで創業。同社が展開しているアパレルや雑貨のサブスクリプション・レンタルサービス「ル・トート・ドットコム(Letote.com)」の月額料金は79ドル(約8200円)で、“アパレル版のネットフリックス”として急成長を続けている。

 ヘレナ・フォークス(Helena Foulkes)HBC最高経営責任者は、「ル・トートと合意に至って大変うれしく思っている。伝統的な小売りとル・トートのサブスクリプション・レンタルサービスを組み合わせることで、中堅の百貨店であるロード&テイラーに新たなビジネスチャンスが生まれるだろう」と語った。

 トンドン=ル・トート共同創業者は、「創業以来、当社は小売りの境界線を押し広げてきた。今回の買収は顧客からの要望に耳を傾けた結果だ。彼らはオンラインで買い物やレンタルをするほかにも、実店舗で買い物を楽しみたいと思っている。今回の買収はその両方を提供できるいい機会だったし、ロード&テイラーと『ル・トート・ドットコム』は顧客の年齢層が近いなど親和性が高いのも大きな理由だ」とその意図を説明した。

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