こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向(むこう)です。朝晩に秋の気配が漂い始めましたね。先週後半からイベントも増えて忙しくなってきました。
8月23日(金)
「シュプール」編集部で妄想談義
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編集者って妄想力が高い人が多いです。話す都度“おもしろい方だな~”と思うのが「シュプール(SPUR)」の五十嵐真奈編集長です。30周年を迎えた「シュプール」を取材に行ったのですが、話は「おしん」やら広島東洋カープやら消費増税やらに広がり止まらず。そんな視野の広さが今のモード誌には絶対必要だし、おもしろくなる秘訣なんだと思います。
「シュプール」の編集長は代々そういう視点を持っています。おもしろがるのが集英社カルチャーなのかな?エレベーターホールには「シュプール」のポスターと並んで発売を控えた故・西城秀樹さんの写真集のポスターが貼られていました。西城秀樹さんって「エルメス(HERMES)」のスカーフでブラウスを作って衣装にしたり(しかも歌の途中で破く)と、ファッション好きな方だったんですよね。
8月24日(土)
学者・研究者たちとみっちりと
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9月16日号で「モードって何?」という特集を予定しており、いろいろな方に「モードって何?」と聞き回っております。「何その小難しい質問」とちょっと戸惑われながら(笑)。
今日は京都で朝からみっちり、学者や教授の研究室などをハシゴしました。ファッション研究者はなぜか京都を拠点にされている方が多いのです。この日お会いした水野大二郎さん、蘆田裕史さん、成實弘至さんはいずれも社会学などの角度からファッションを扱っています。土曜日だし朝早いしで眠かったけど行ってよかった!日々のビジネスでは課題を近視眼的にとらえがち。鳥の目で見ることで気がつくことがありますね〜。ホント。
この日の仕上げは京都国立近代美術館で開催中の「ドレス・コード?--着る人たちのゲーム」展へ。面白かった!最後の部屋で掲げられていた「ファッションは終わりのないゲームである?」という問いに皆さんはどう答えますか?私は終わりのないゲームだと、思います。
8月26日(月)
大井町の裏路地で最高の撮影
念願叶って村上隆さんのインタビューが実現し、9月9日号で掲載予定です。今日はポートレートを撮りに大井町へ。もう!最高の一枚が撮れました。なぜこのシチュエーションかも含めて特集に乞うご期待です。世界をつかんだ芸術家の言葉、深いですよ。
8月27日(火)
ご意見番、栗野さんは凄いのです
ユナイテッドアローズの栗野さんは、どんな質問にも具体的かつ前向きに答えてくれるご意見番です。「モードって何?」もうかがいに行きました。答はズバリ「モードは終わった」。うわ〜〜!!うわ〜〜!!ありがとうございます……。
厳しい言葉ですがそこから未来を照らします。同行した若手記者の深いうなずきがその説得力の高さを物語っていました。
8月28日(水)
ベビーギフトにこれはおススメ
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近藤社長率いるマッシュスタイルラボがサステイナブルに舵をグイッと切りましたよ。この日は新宿に2つのショップをオープン。ニュウマン新宿店には、和紙から生まれた新ブランド「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」の1号店がオープンしました。和紙繊維は実は超機能的とのことで、ならば見るだけじゃなくて着ないと分からないと思いTシャツを購入しました。触るとふんわりと気持ちよいです。オススメしたいのがベビー服。着ている赤ちゃんも、抱っこするパパママも優しい気持ちになれそう。
マッシュ王国と表現したくなるほど同社のブランドが数多く展開する新宿ルミネ2の2階では「スナイデル(SNIDEL)」がエコロジー&リサイクル素材を使って内装をリニューアルオープンしました。6枚目の写真に写っている什器のグリーンの素材は蛍光灯を再利用しているそうです。ほかにもブラウン管を再利用した什器や鉛を使っていない鏡、再生原料を50%以上使った床などなど。本気ですね。それに制作時にアイデアを出すのが楽しそう。作り手のポジティブな思考はお客さんにも伝わると思います。
8月28日(水)
WEGOが25周年って信じられる?
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今年9月に創業25周年を迎えるウィゴーが渋谷ストリームでイベントを開催しました。大阪のアメリカ村で創業したそうですが、ちょうどそのころ自分もアメ村でデニムを売ったり、古着を買ったりしていたからなんか勝手に感慨深いです。学園祭みたいなイベントには変わらないストリート感覚があふれていました。
イベントの背骨となるのは、 “パッションフォー(PASSION FOR)”というメッセージで、FORの後ろにいろいろな言葉が続きます。例えば“PASSION FOR TiK
ToK”(今どき!)というブースがあるなど。渡辺直美さんがプロデュースするブランド「プニュズ(PUNYUS)」の前には“PASSION FOR FOOD”の看板が立っていましたよ!
スタッフは全員FORの後ろがブランクになった赤いTシャツを着ていました。園田社長のTシャツのブランクがブランクのままだったので「なぜですか?」と尋ねると「書くまでもなく、WEGOだから」と笑顔。失礼しました!「プニュズ(PUNYUS)」の横で渡辺直美さんになれきれる場所があったのでトライしてみました。穴に顔を合わせるのが結構難しい。
8月28日(水)
ケイティ・ヒリヤーとご対面
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「J&M デヴィッドソン(J&M DAVIDSON)」の青山店のリニューアルオープンでクリエイティブ・ディレクターのケイティ・ヒリヤー(Katie Hillier)にご挨拶。お土産にと最初に受け取ったのはガラスのストローで、それを使ってドリンクをいただきました。きれいだしエコだし、良いアイデアですね。
ケイティ一行はとってもフランクで陽気。クラフトアーティストのジェフリー・ウェスト(Jeffrey West)は自分で作った椅子に腰かけてポーズを取ってくれました。彼が着ていたのは「ディオール(DIOR)」で、突っ込むと「キム・ジョーンズ(Kim Jones)は友達だからね」と返ってきました。ロンドンのクリエイターたちのコミュニティーってなんかいいです。帰り際、店を出る一行が振り返りお店のスタッフの集合写真を撮っている様子にもほっこりしました。
8月28日(水)
伊勢丹新宿で靴&ジュエリーの
改装見物
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ベッドから這い出しメイクもそこそこに、朝8:45スタートのプレスプレビューに参加するため伊勢丹新宿本店へ。2階の婦人靴と4階のジュエリーの売り場が改装オープンしました。ジュエリーは「レポシ(REPOSSI)」の導入が個人的にも嬉しいニュース。簡単に言えば、ジュエリー界のフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)みたいな位置付けかな?シンプルで存在感がありモダンです。
それから、ゴールド×白のゴージャスな扉の向こうに広がる上顧客向けのサロンスペースがすごかった!ここはホテルなの?!写真をぜひご覧ください。
伊勢丹の靴売り場のコンセプトや品そろえには時代が反映されるから注目しています。今回は、サイズ計測のサービスが充実していました。靴の買い物ってこの先、自分の足に合う靴を探しに行くというより、自分の足に合わせて靴が向こうからやってくるイメージになりそう。「クリスチャン・ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」の5.5センチヒールの登場もニュースです。
8月29日(木)
今週一、報道陣を本気にさせた会見
見てください。記者会見での報道陣のカメラの向け方、腕の伸ばしっぷりを。檀上の方たちへの注目の高さが表れています。檀上の方たち、光っちゃっていますが手前が渡辺貴生ゴールドウイン副社長で奥が関山和秀スパイバー取締役兼代表執行役。そして真ん中の白いダウンが話題の “ムーン・パーカ”です。人工タンパク質を原料にしていると聞いても“何のこっちゃ??”だと思います。この一着がどれほど画期的かは、ぜひ記事リンクから見てください。
サステイナブルの取材でいつも思うのは「いいこと」である以上に「ワクワクすること」だ、ということ。科学や化学や技術の進歩・進化が新しい価値を生み出すことは夢があるからです。この会場にもそんなワクワク感があったし、だから記者たちの熱量も高かったのだと思います。
8月29日(木)
三井不動産の社長会見で見た
日本橋の未来
この写真の絵は20年後の日本橋の姿だそうです。2004年から日本橋の再開発を進めている三井不動産が会見を行い、菰田正信社長が現状報告と次なるステージを発表しました。来年着工する首都高の地下化を経て、今は高架下である日本橋川(という名前であることを初めて知りました)沿いを江戸時代にそうであったように活気ある交流の場と変えたい、と。昭和から平成にかけての価値観「もっと大きく、もっと上へ、壊してでも新しく」ではなく、「その土地が本来持っている強さと魅力を最大限に生かす」という考え方に賛成です。壮大な話ですが、街づくりはこうやって長い時間をかけて行うものなんですよね。
8月29日(木)
最新号「セレクトショップ特集」
校了と本日のおやつ
9月2日号の特集は「セレクトショップの最新事情」です。先月のこの日記にも登場いただいた5社のネクストリーダー22人を通じて、各社の戦略を紹介しています。で、写真を拡大して見ていただきたいのが担当者が執念で作りあげたこの表紙です。この中にきっとあなたの知っている人もいるはずです。少なくとも5人は(笑)。
本日のおやつは、「スナイデル」のオープニングでお土産にいただいたHIGASHIYAの最中です。ごちそうさまでした!