前澤友作ZOZO前社長は、ファッション業界屈指の時計好きとして知られる。では、前澤前社長が退任会見で腕に着けていた時計は何か?編集部ヨコヤマにふいに聞かれた時計担当の僕は答えに窮し、「ちょっと、え~、あの~、あれだ、その、今ちょっと立て込んでるから……」と言い残し、すぐに「WWDジャパン」委嘱ジャーナリストの渋谷ヤスヒト オフィス・ノマド代表と、同編集アドバイザリーの山本晃弘「アエラスタイルマガジン」ウェブ編集長兼エグゼクティブエディターに連絡を取った。
「WWDジャパン」も前澤前社長の退任会見に自前のカメラを入れていたが、当然ながら狙うのは前澤前社長の顔だ。時計にピントが合った写真は少なく、それを僕を含めた中高年3人が必死に見ている構図。なかなかにしんどい作業だ……。
ブランドについては早々に「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」で間違いないだろう、ということで着地した。同ブランドは1839年にスイスで創業。「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」と並んで“三大時計ブランド”と称される、時計ファンのあこがれの存在だ。
ああでもないこうでもないが続き、日の暮れかかった18時。「これだ!……(たぶん)」という一本にたどり着いた。それが“グランド・コンプリケーション3970”だ。機械式手巻き時計で、ケースはプラチナ製。永久カレンダーを搭載したクロノグラフモデルだ。04年で生産は終了し、現在は中古市場で1200万~1700万円ほどで販売されている。
退任会見について書いた本紙編集部イシヅカの記事を自身のツイッターで紹介してくれた前澤前社長だから、きっとこの記事も見てくれていると信じて聞きます――「合っていますか?」。
ちなみに前澤前社長は平均価格2000万円超のスイスの超高級時計ブランド「リシャール・ミル(RICHARD MILLE)」の日本有数のコレクターとしても知られており、SNSではオールブラックモデルを着用した写真などをアップしている。