ファッション

「ユニクロ」がインド1号店をオープン 後発組として巨大市場に挑む

 ファーストリテイリング傘下の「ユニクロ(UNIQLO)」は10月4日、インド1号店をオープンした。デリー首都圏の人気ショッピングエリアであるバサントクンジ地区の高級ショッピングモール、DLFアンビエンスモール(DLF AMBIENCE MALL)にある同店は地上1~3階の3層で、売り場面積は約3300平方メートル。グラフィックTシャツの“UT”を含む、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビーの全商品をそろえている。

 オープニングセレモニーには、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長も駆け付けた。「インドへの出店を長い間心待ちにしていた。19歳のときにこの国を旅して、51年後にようやく実現できたことを大変うれしく思う。インドは当社にとって重要な市場であり、今回の出店は長きにわたるパートナーシップの第一歩だと考えている。最高品質の衣料品を提供すると同時に、インド特有の文化と伝統を取り入れたより革新的な商品も展開していく。今後、インドの経済発展にも貢献していきたい」と語った。なお、セレモニーにはスムリティ・イラニ(Smriti Irani)=インド繊維大臣、平松賢司・駐インド大使も出席した。

 清智彦ユニクロインド最高経営責任者は、「インド進出に当たっては、最初から現地の方々との協業を念頭に置いて戦略を策定した」と述べた。その一環として、インド人デザイナーのリナ・シン(Rina Singh)とコラボレーションした“クルタ・コレクション”を発売した。これはインド人女性の日常着である伝統服“クルタ”をモチーフにしており、店に入ってすぐの1階フロアで展開している。同氏は、「まずインドと日本のほか、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの7市場で販売する」と話した。また、同店にはインドを拠点に活躍するアーティストたちの作品が散りばめられており、首都デリーの日常風景をモチーフとしたものや、地元の刺しゅう職人たちがユニクロのラムウールを使って制作した色鮮やかなインスタレーションなどが展示されている。

 柳井会長兼社長が同店のオープニングを前に、「21世紀はインドの時代だ。およそ13億の人口を抱え、平均年齢は27歳。国内総生産(GDP)の成長率は7%と勢いがあり、大きな可能性を秘めている」と語った通り、インドはメーカーや小売業界にとって重要な市場だ。「ユニクロ」は「H&M」や「ザラ(ZARA)」がすでに同市場で確固たる地位を築いている中での進出となるが、年内にはニューデリーのショッピングモール、DLFアベニュー・サケット(DLF AVENUE SAKET)とDLFサイバーハブ(DLF CYBERHUB)に出店する予定。

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