10月14日から19日までの6日間、楽天を初の冠スポンサーに迎えた2020年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」が開催される。期間中は、非公式スケジュールを含めると50近いブランドがランウエイショーやイベントを行い、合計すると1000近いルックが披露される。しかし、よほどのことがない限り全てのルックをチェックするのは難しい。
そこで「RFWT」を取材する3人の「WWDジャパン」記者が、各日の“私的BEST LOOK”をご紹介。東コレを4年連続で取材する30代男性記者K.O、海外コレクションの取材経験も豊富な女性記者M.O、東コレにはスナップカメラマンとして参加していた20代男性記者R.Oという、偶然にもファミリーネームが「O」縛りの3人が選ぶルックとは?初日に登場した「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」「ディスカバード(DISCOVERED)」「ティート トウキョウ(TIIT TOKYO)」「タチアナ・パルフェノワ(TATYANA PARFIONOVA)」「アクオド バイ チャヌ(ACUOD BY CHANU)」の5ブランドから3ルックをピックアップしお届けする。
男性記者K.O
TIIT TOKYO / LOOK 23
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カラーリングが鮮やかな印象があった「ティート トウキョウ」ですが、今シーズンはなんだかグレイッシュで落ち着いたトーン。途中までは正直、(あれ?ちょっと物足りないぞ)と感じていたのですが、岩田翔デザイナーの「雨の都市を表現した」という理由を聞いて納得。曇天好きの僕は一気に共感しました。単純ですね。素材の切り替えでメリハリをつけたり、細かい刺しゅうで市松模様を描いたりするテクニックよりも、渋い色使いだからこそより際立った心地よさそうな素材感のこのルックが今日イチでグッときました。リアルクローズに徹したメンズも捨てがたかったのですが、欲をいえばウィメンズのキャッチーさを取り入れたメンズも次回は見てみたいです。
女性記者M.O
TATYANA PARFIONOVA / LOOK 11
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ロシア・サンクトペテルブルク出身のベテランデザイナーが、東京で初のショーを行いました。画家の家系ということもあり、絵画を繊細な刺しゅうで再現し、アートとファッションの融合を試みているようです。テーマに掲げた“黒いとんぼ”は、チュールを重ねた装飾から羽根の透け感をイメージできます。クロード・モネの「睡蓮」を彷ふつとさせる刺しゅうからは、職人技のすごさがダイレクトに伝わってきました。
男性記者R.O
YOSHIKIMONO / LOOK 30
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実は呉服屋の子どもというバックグラウンドを持つYOSHIKIが、3年ぶり3度目となる「ヨシキモノ」のショーを披露しました。これまでのショーも観てきたのですが、毎回着物への造詣の深さと伝統を重んじているからこそのYOSHIKIらしい柔軟な発想には驚かされます。特に今回は、若者にも親しみやすいようにメタリックな素材を採用したり、自身が主人公でスタン・リー(Stan Lee)原作の「ブラッド・レッド・ドラゴン(Blood Red Dragon)」と「進撃の巨人」を着物に落とし込んだりと離れ業を披露。「着物にアニメなんて!」と考える方もいるかもしれませんが、今やアニメは着物と同じく日本を代表する文化の一つ。賛否両論があるかもしれませんが、「進撃の『ヨシキモノ』」。僕は好きです。