グッチ(GUCCI)はこのほど、新しい人材育成のための多文化デザイン奨励金プログラムのファイナリストの中から11人の学生デザイナーを選出した。選ばれた学生は2020年3月から1年間「グッチ」のデザインチームに参加する。
同プログラムは「グッチ」のダイバーシティー&インクルージョンイニシアティブの一環として今年の3月に誕生した。ガーナ、南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、インド、中国、日本、韓国、ドバイ、アメリカ、メキシコの11カ国の11のファッションスクールと提携して実施する12カ月集中プログラムで、才能ある人材の正規雇用機会を拡大し、職場のダイバーシティーとインクルージョン化を進めることを狙いとする。日本からは文化服装学院が参加した。
各学校からデザインコンペティションで選出された合計50人のファイナリストは1週間イタリアに滞在し、ローマとフィレンツェで「グッチ」のデザインチームを訪れた。そして今回ファイナリストの中からデザインチームに参加する11人が発表された。
マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者は、「ファッション業界は限られたパイの中から人材を探しがちなため視野を広げる必要がある。異なる文化に触れることがブランドを繁栄させるために最善の方法だ。そして、面接だけで多様性を実現することは不可能だろう。私たちはこの11人のデザイナーをチームに迎え、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの近くで経験を積んでもらう。彼らは物事に疑問の目を向け、創造性を推進する役割を果たしてくれるだろう」とコメントした。
「グッチ」は7月にDE&I(ダイバーシティー、エクイティ、インクルージョン)のグローバルディレクターにルネ・E・ティラード(Renee E. Tirado)を起用。地域にとらわれないさらなる多様性の促進に力を入れている。