H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)は自社製品のレンタルサービスを試験的に実施する。まずは11月末に新装オープンする「H&M」ストックホルム旗艦店で、同ブランドの会員制プログラム「H&Mメンバー」の加入者を対象として行う。
サービスは予約制で、ユーザーはサステナブル素材を使用したハイエンド・コレクション“コンシャス・エクスクルーシブ(CONSCIOUS EXCLUSIVE)”の全コレクションの中から借りたいアイテムを選ぶことができる。レンタル専用のスペースで試着し、「H&M」のスタイリストにコーディネートなどの相談をすることも可能だ。料金は1アイテムがおよそ350スウェーデン・クローネ(約3800円)で、1回につき3アイテムまで借りられる。レンタル期間は1週間。なお、ストックホルム旗艦店ではリペアサービスも提供するほか、美容サロンとカフェも併設される。
H&Mは、「顧客にこうした特別なサービスを提供できてうれしく思う。当社はファッション業界における循環型経済の実現を目指しているので、レンタルサービスがそうしたことへの関心を喚起するきっかけになればと考えている」とコメントを発表した。パスカル・ブルン(Pascal Brun)=グローバル・サステナビリティ・マネジャーは、「衣服のレンタルサービスには以前から注目していたので、“コンシャス・エクスクルーシブ”コレクションの美しい作品をレンタルでも提供できることをうれしく思っている。当社は今日におけるファッションの生産工程や消費行動を変えることに尽力しており、今回の試みについても結果を楽しみにしている」と語った。
サステナビリティの観点から、近年はファッション業界でもレンタルサービスが台頭してきている。今年2月には「アメリカンイーグル アウトフィッターズ(AMERICAN EAGLE OUTFITTERS)」が月額49.95ドル(約5400円)で1回につき3アイテムまでレンタルでき、かつ何回でも交換可能なサービス「スタイルドロップ(Style Drop)」を開始。5月には「アーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)」が月額88ドル(約9500円)で6アイテムまで借りられるプログラム「ヌーリー(Nuuly)」を発表した。また米百貨店ブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)も月額149ドル(約1万6000円)で1回につき4アイテムまでレンタルでき、何回でも交換可能なサービス「マイリスト(My List)」を9月にスタートさせている。