アーティストの伊藤千晃がプロデュースするライフスタイルブランド「キキ アンド デイズ(KIKI AND DAYS)」が11月20日に本格始動した。同ブランドは、アパレルやコスメ、雑貨など幅広いアイテムをそろえる。公式ECをベースにしながら、ポップアップショップなどのリアルなイベントも行っていくという。どんな思いを込めてこのブランドをスタートさせたのか。彼女に聞いた。
WWD:「キキ アンド デイズ」をプロデュースするようになった経緯は?
伊藤千晃(以下、伊藤):これまでもさまざまなブランドとコラボさせていただき、商品開発に関わらせてもらっていました。そうした経験を経て、いつか自分でもゼロからブランドをつくってみたいという思いが強くなりました。「いつかはブランドを作れたら素敵だよね」と周りのスタッフに言っていたら、「プロデュースしませんか」というお話をいただいて、今回ブランドをプロデュースすることになりました。
WWD:どのくらいから前から進めていた?
伊藤:ブランドプロデュースは1年ほど前から進めていました。試行錯誤を繰り返しながらようやく完成したのですごくうれしいです。製品作りは簡単なことではありませんでしたが、スタッフにサポートしてもらいながら楽しんでやれました。
WWD:ブランド名の「キキ アンド デイズ」の由来は?
伊藤:キキは私が飼っている愛犬の名前なのですが、キキを飼ってから私の生活が本当に豊かになって、たくさんの幸せを運んできてくれる大切な家族だったんです。そんなキキみたいに愛しい存在になってもらえるようにという思いで“キキ”にしました。そこに、生活に寄り添えるようにという気持ちを込めて“アンド デイズ”とつけました。
WWD:ライフスタイルブランドということで、アパレルからコスメ、歯磨き粉、キャンドル、タオルと幅広いラインアップだが?
伊藤:これでもすごく絞ったんです(笑)。本当に私が生活の中で“これがあったら便利”と思うものをそろえました。ここからさらにラインアップも増やしていく予定です。
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WWD:ブランドのコンセプトは?
伊藤:“BESIDE YOU, BESIDE ME.(いつでもあなたのそばに、いつでもわたしのそばに)”がコンセプト。ギフトにも力を入れていきたいと思っていて、商品を誰かのために選ぶのもよし、自分のために買うもよし。ターゲットは特に考えていなくて、自分が欲しいと思ったものを作りました。価格も1000円台からあり、なるべく多くの人に手に取ってもらいたいと思っています。雑貨やコスメが1000~5000円ほどで、アパレルは1万~2万円になります。
WWD:パッケージデザインのこだわりは?
伊藤: 自分の好きなデザインを集めて、そのイメージを組み合わせながら作っていきました。フォントの種類や箱の形状、色など、けっこう細かく詰めました。女性らしいものが好きなので、どこかフェミニンさが感じられてその上でナチュラルなデザインにしています。ポジティブな女性の雰囲気が好きなので、それをパッケージでも表現しました。
WWD:色使いも白と黒などシンプルだが。
伊藤:実は「キキ アンド デイズ」はイメージカラーがモーブなんです。だから白に見えるかもしれませんが、よく見ると薄く色がついているんです。そういう微妙な感じが好きで、ちゃんと商品を手に取ったからこそ分かる喜びを感じてもらいたいです。イメージカラーの候補はたくさんありましたが、その中でどの色に絞るかがすごく悩みました。パッケージはさらに濃さも調整して、決めるまでに時間がかかりました。
「生活に寄り添うブランドを目指す」
WWD:アパレルでこだわった点は?
伊藤:日常で着られて、シンプルだけど、オシャレで上品に見えるようなデザインやシルエット、素材にこだわりました。その上で、手元や首回りなどディテールにもこだわりました。“ノーメイクで着てもOK”というくらい気軽に着てほしいです。
WWD:リップティントやネイルポリッシュなどコスメもある。
伊藤:もともとコスメは大好きで、昔からコラボやプロデュースをさせてもらってきたので、自信作を届けられると思います。リップなどはメインカラーがモーブなので、最初はそこから外れないような3色で作りました。今後はシーズンに合わせた色の展開も考えています。「絶妙だよね、この色」って言ってもらいたいですね(笑)。
WWD:ディフューザーやキャンドル、ファブリックミストなど香りのアイテムも多い。
伊藤:私が20代の頃に支えられた“レモングラス“と“ベビーローズ”で、元気なときもつらいときもこの香りでよりハッピーになってほしいです。
WWD:販売はECがメイン?
伊藤:今のところEC販売をメインに考えていますが、ポップアップやイベントなど、実際にお客さんとコミュニケーションをとれるようにも考えています。
WWD:今後の目標は?
伊藤:とにかく立ち上げたばかりなので、まずは土台をきっちりと固めていきたいです。家の中にあるアイテムをベースに作っているので、家に帰ったら「キキ アンド デイズ」があってほっとする、まさにその人に“寄り添う”――そんな存在のブランドにしていきたいです。