※この記事は2019年7月31日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
産んだタマゴを温める
前回の「エディターズ レター」でご紹介した松坂屋静岡店からは配信当日、メールを頂戴しました。また、その前に募集した「『WWDジャパン』のコンテンツをコンテクスト化してくれる男性ビジネスパーソン」という“緩募”にも当日、ITのプロから連絡を頂戴し、本日から連載がスタートします(わ〜い)!!手掛けるメディアに格納したコンテンツを広めるという、「コミュニケーション・デザイン」が少しずつ機能しているようでウキウキしちゃう今日この頃です。
ECを特集した「WWDジャパン」の7月29日号も、コンテンツについてはな〜んにも力になれませんでしたが(苦笑)、「コミュニケーション・デザイン」には思いを馳せました。日進月歩の業界はニュースだらけ。ゆえに業界自体はマニアックにもなりつつあり、僕のような門外漢には、その世界をチラリと覗くことさえ腰が重くなりがちです。業界同様、EC特集自体の敷居も高くなっており、2年ほど前からは「さぁ、読むぞ!気合いだ×3〜!!」とアニマル浜口並みの決意でページを開いておりました。「有益な情報ばかりなのに、読まれないなんてモッタイナイ!!」。そう思って、特集担当チームには「『お悩み解決』みたいな体裁なら読めそう」「事前に読者が知りたいことを募ってほしい。案外、みんなが“当たり前”と思っている最初の一歩でつまずいている」「イベントは、紙面でお悩みを解決してくれた人に直接会える機会がいい」と勝手にリクエスト(笑)。結果、有益なコンテンツを、極力ハードルを感じさせず、SNSから紙面、オフラインにいたるまで一気通貫で届けられている気がします。社内に刷り上がりが届いた当日、担当記者以外の多くが「あ、ちょっと話題になってたEC特集だ。今回の紙面は、読みやすそう」と興味を持ってくれたのが、担当記者の努力の証だと思います。
取材してアウトプットする。この仕事は、大昔から変わっていません。けれど、それをどう発信・拡散すべきか?については、新たな挑戦が求められる時代になりました。もはや発信・拡散力なきコンテンツは、埋もれるだけ。結果、無価値です。産んだタマゴを温める力が、タマゴを産む行為同様、重要です。
ただ社内でそれに気づき、アクションできている記者が多いかと言われれば、正直、そんなことはありません。読者からのリアクションが薄いと、むしろ問題は発信・拡散なのにコンテンツに不備があると反省してしまい、以降前進が止まってしまう人もいます。彼らの背中を押すには、何をすれば良いのでしょう?マネージャーとしての悩みは最近、「良い記事を書いてもらう」から「良いコンテンツを広める」にシフトし始めました。
同じ悩み、業界人の多くが抱えている気がします。モノは悪くないのに、売り方がマズい。伝え方においては、努力さえできていない。なのにモノを疑い、結果ますますこじれていく。そんな状況を避けるには、今、どこで何につまずいているのか、客観的に振り返る作業が必要ですね。
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