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ティファニーの取締役が退任 「ルイ・ヴィトン」親会社による買収が理由ではないと説明

 ティファニー(TIFFANY & CO.)のフランチェスコ・トラパーニ(Francesco Trapani)取締役が11月29日付で退任した。

 同社は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」などを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)によって162億ドル(約1兆7658億円)超相当で買収されることを11月25日に発表したばかりだ。しかし米証券取引委員会に提出された書類によれば、同氏は「ティファニーの経営などについて意見の相違があるわけではなく、自身のさらなる機会を求めるために退任する」という。本件について、ティファニーからのコメントは得られなかった。

 トラパーニ前取締役は2017年3月にティファニーの取締役会のメンバーとなった。これは“もの言う投資家”のジェナ パートナーズ(JANA PARTNERS)と合わせてティファニーの株式を5.1%保有していたことによる。それ以前は、1984年からブルガリ(BVLGARI)の最高経営責任者(CEO)を務めていたが、11年にLVMHがおよそ52億ドル(約5668億円)で同社を傘下に収めた際にLVMHのウオッチ&ジュエリー部門会長兼CEOに就任し、14年まで同職を務めた。その後、16年までLVMHの取締役と同社CEOのシニアアドバイザーを兼任した。なお、アレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)=ティファニーCEOもブルガリの最高執行責任者とジュエリーやウオッチ、アクセサリー部門の上級副社長などを含む要職を1996年から2012年まで務めている。

 トラパーニ前取締役はまた、14年に伊投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)の会長にも就任しており、15年の同社によるロベルト・カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)買収に一役買っている。なお、19年11月28日にドバイの投資会社ビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)がロベルト・カヴァリの全株式をクレシドラから取得した。

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