サマンサタバサジャパンリミテッドは12日、新社長に門田剛(もんでん・つよし)上席執行役員が11日付で昇格したと発表した。今年4月に就任した藤田雅章社長兼会長は代表権のない会長に退く。門田氏はサマンサの株式の31.3%を保有する紳士服大手コナカの出身。今回、門田氏を含めて4人が新たに取締役に付き、改革を主導する。
11日に臨時株主総会を開いて決議した。門田氏のほか、コナカ社長の湖中謙介氏も取締役に入った。取締役10人のうち4人をコナカ出身者が占める体制になる。
サマンサは4月に創業者で筆頭株主の寺田和正氏が社長を退任し、後任には長年ナンバーツーとして寺田氏を支えた藤田氏が昇格していた。また寺田氏は保有する株式63%の半数を湖中氏個人に譲渡した。9月にはコナカが湖中氏の持つ全株式を取得し、サマンサを持分法関連会社にしている。
門田氏は59歳。1984年旭化成に入社後、2001年にザラジャパン社長、06年にファーストリテイリング執行役員海外事業本部長、08年にアニエスベー ジャパン社長、13年にアガタ ジャポン社長、18年10月にコナカの専務取締役を経て、19年10月にサマンサの上席執行役員に就いていた。
この数年のサマンサは店舗整理などの構造改革を進めてきた。だが、19年3〜8月期の純損益は4億円の赤字で、業績回復はまだ道半ば。「さまざまな企業のトップを歴任した門田新社長の経験を生かし、事業改革を軌道に乗せる。今後の海外事業拡大も視野に入れた新体制に移る」(菅原隆司副社長)としている。