「WWDビューティ」2019年12月26日・20年1月2日合併号は恒例企画のベストコスメ特集。美容ジャーナリストや美容誌・女性誌の編集長、エディター、ライター、メイクアップアーティスト、百貨店化粧品バイヤーなどの協力を得て、19年下半期(7〜12月)に発売された製品を対象に全18部門で「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」を選出した。
アジア人女性の環境ダメージに対するケアニーズやメイク習慣に着目して、アジア限定でクッションファンデーションを発売した資生堂「NARS」が2位の得点を大きく離して1位を獲得。トレンドの艶肌と高いカバー力をかなえる新ファンデーションを投入した資生堂のグローバルブランド「SHISEIDO」や、バーム状ファンファンデーションを発売したカネボウ「ルナソル」も高評価。
1位 NARS「ナチュラルラディアント ロングウェア クッションファンデーション SPF50/PA+++」
岡部美代治/ビューティサイエンティスト
満足なカバー力なのに、軽やかでナチュラルさを演出する抜け感もある。つけたての仕上がり感の持続性もあり、これぞ待ち望んでいたクッションファンデの完成形だ!矛盾する仕上がり特性を実現するまでのファンデーションのベース開発における苦労が報われた喜びが感じ取れる。
片岡えり/美容エディター・ライター
ここまでカバー力を感じたクッションファンデーションは初めてで、色ムラや毛穴をカモフラージュして肌色が均一に。しかも潤いがじわっとあふれるような艶仕上がりで、厚ぼったいメイク感は皆無。保湿はもちろん、紫外線や環境ストレスからも肌を守ってくれるので、仕事にも休日にもゴルフにも対応する守備範囲の広さにほれぼれ。
加藤智一/美容ジャーナリスト
クッションファンデーションにありがちな“重たさ”がなく、みずみずしさと共に肌と一体化。しかも、カバー力は抜群で、クリームファンデーション派も満足する頼もしい仕上がり。他のクッションファンデーションも仕上がりの点で頭一つ抜け出ている。
近藤須雅子/美容エディター・ライター
ベースメイク全体が飛躍的に進化する中、卓越したアイテムを連発して“ファンデは「NARS」”の評価を得た同ブランドだが、その名声の決定打となった名品。冴えた発色、カバー力と透明感のバランス、艶やハリ感、使い勝手のよさ、全てが優秀。
SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト
朝出かけてから帰宅するまで化粧直ししなくても気にならない!長時間きれいに肌にフィットするのが実感できる。しっかり大気汚染やストレス環境などからも肌を守ってくれる処方。カバー力がありながらもナチュラルな艶を与えて、絶妙な素肌感もかなえてくれるバランスのいいファンデーション。「NARS」ならではのモードなメイクとの相性もいい!
平輝乃/美容エディター・ライター
名作ぞろいだった今季のクッションファンデーションの中でも仕上がりの美しさとロングラスティング力でダントツ! 崩れないのにマットすぎず軽やかな艶感がある仕上がりがとにかく好み。手を汚さずにリキッドやクリームレベルの美肌に仕上がる。クッションの進化を極めた一品。
高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長
カバー力があるのに軽やかで極上の艶感も、とクッションファンデーションなのにわがままなニーズをすべてクリア。SNSでも早くから話題になり、欠品状態が続くことでさらに欲しい気持ちが高まるという、ブレイクの無限ループ状態に突入。コスメの実力も話題性も、2019年を代表する大ヒットコスメ!
永富千晴/美容ジャーナリスト
「化粧感を出さずに、でも、素肌よりも肌の印象をよくしたい」という曖昧なニーズに、まさにこれ!という仕上がりを見せてくれたアイテム。艶、輝き、そして明るさの補正効果など、ナチュラルの範囲内での仕上がり力が抜群。ファッション性の高い人のニーズにも素肌派のニーズにも応えるクッションここにあり!
山本未奈子/美容家
スキンケアと錯覚してしまう質感で軽やかなつけ心地。くすみを払い、驚くほど透明感が出てみずみずしい艶肌に。乾燥からも肌を守ってくれるから、冬でも肌がかさつかずしっとり感が長時間持続。使うほどに肌が潤う。保湿力もカバー力もあって優秀。
渡辺佳子/美容ジャーナリスト
みずみずしい使用感で、覆われている感しもなく艶々の肌が心地よく実現できる。一日中つけていてもほぼ崩れない上、重ねても厚ぼったくならず、むしろ元気な艶がよみがえる。
2位 SHISEIDO「シンクロスキン
セルフリフレッシング
ファンデーション」
海野由利子/美容ジャーナリスト
汗や皮脂はもちろん、表情の動きによるメイクのヨレ・崩れも気にせず過ごすことができる機能が素晴らしい。汗、皮脂、皮膚の動きそれぞれに合わせた技術を用いて、日本よりも比較的人々の表情が豊かとされる米・ニューヨークを拠点に開発された製品という点にも説得力がある。気候の異なる地域への旅や出張もこれ一つで十分なほど。
岡部麻衣/三越伊勢丹化粧品MD統括部マーチャンダイザー
幅広い色のバリエーションで20色中8色が伊勢丹新宿本店限定色として展開している。軽いテクスチャーでスーッと伸び、しっかりカバーもしてくれる。メイク直しを気にしなくてもいい仕上がり。
小川由紀子/エディター・ライター
高いカバー力を保ったままごく薄くのびて、肌にピタッと密着。その名のとおり表情と完璧にシンクロする、自然かつしなやかなのにアラの見えないセカンドスキン仕上げが秀逸。ハッと見とれるような、明度の高い華のある肌になりたい日に。
倉田真由美/美容ジャーナリスト
多様性が見られた今シーズンのファンデーションの中で、美肌演出力と持ちのよさという点で秀でていた逸品。シミやくすみといった肌色の難点も、毛穴やキメの乱れなどの凹凸の難点も見事にカバーし、完璧な美肌に仕立てるといった印象。しかもそれがみじんも不自然にならず、時間が経っても崩れず、つけ心地もトリートメント効果も申し分ない。資生堂の技術力のすごさをあらためて実感した。
中西陽子/マガジンハウス「アンアン」キャップ
まるで素肌のように感じるフィット感と伸びのよさに感動した。ほどよい艶感も素肌っぽさを演出してくれて、薄塗りでも十分満足感が得られる。
松本千登世/美容エディター・ライター
肌に薄く伸びてするするっと溶け込み、瞬時に自分の肌とぴたりとシンクロ。つけてすぐはもちろんはっとする仕上がり。でも本当にはっとするのは、時間が経ったときの肌。夕方ディナーに出掛ける前も、いや、家に帰ってからも。どんなに笑っても「好き」と言える肌に。
3位 ルナソル
「グロウイングシームレスバーム」
AYANA/ビューティライター
完璧な素顔を特殊メイクで作っているような不思議な仕上がり。非の打ち所がない、かゆいところに手が届くカバー力。ありすぎずなさすぎずな品格の艶。しっとり感はリッチなのに無重力みたいな軽さ。その全てに驚く。
曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー
重たさを全く感じず、するする塗れてぴたっと密着。バームの心地よさと保湿力、毛穴やシミなど肌のあらをすべてカバーしてくれる、カバー力の高さが秀逸。均一にキメが整い、自然な艶肌に仕上がる。
貴子/松倉クリニック代官山・院長
ありそうでなかったバーム状のファンデーション。数種類のブレンドされたオイルが肌に密着し、しっとりと艶やかな素肌感を出してくれる。バームタイプのものはスキンケア製品でも肌の上にのっかって浮いている感が否めなかったが、これは薄く伸びて肌になじみ、厚みを感じさせずに内面から発光する肌に。
寺本知香/松屋 婦人一部 MD課 バイヤー
ファンデーションにカバー力と艶を求める私の今年一押しの新製品。オイルバームの膜で潤い、キレイな艶肌が完成。隠したいシミなどは、指に取って少しずつ重ねていくと厚塗りにならずに隠すことができる優秀なファンデーション。伸びも良く、少量でまるで素肌が綺麗になったかのような自然な仕上がり。
中嶋マコト/モデル・ビューティジャーナリスト
「もともとの素肌がきれい!」と見せたいときに最適。肌に塗布すると、そのとき消したい毛穴・シミ・色ムラなど、自分がアラと感じる部分を消しゴムのようになかったことにしてくれるので、塗っている途中の時間も楽しい。ファンデーションって、塗っている時間の楽しみが少ないアイテムだが、これはメイク途中も楽しめて貴重。ロングラスティング度も高い。
54人の「WWDビューティ 2019年下半期 ベストコスメ」選定委員 ※順不同、敬称略
【美容ジャーナリスト】海野由利子、加藤智一、倉田真由美、近藤須賀子、斎藤薫、永富千晴、吉田昌佐美 、渡辺佳子 【美容エディター・ライター】安倍佐和子、AYAYA、猪狩幸子、入江信子、宇野ナミコ、大塚真里、小川由紀子、片岡えり、平輝乃、巽香、近内明子、中込久理、藤井優美、松村有希子、松本千登世、渡部玲 【美容家】石井美保、岡本静香、神崎恵、小林ひろ美、深澤亜紀、山本未奈子 【メイクアップアーティスト、ヘア&メイクアップアーティスト】KUBOKI、藤原美智子、MICHIRU、村松朋広、山本浩未 【百貨店化粧品バイヤー】入月雅子/三越伊勢丹 化粧品統括部MD、岡部麻衣/三越伊勢丹 化粧品MD統括部マーチャンダイザー、金川いずみ/阪急うめだ本店ビューティー営業統括部化粧品商品部アシスタントバイヤー、寺本知香/松屋 婦人一部MD課バイヤー、望月美穂/大丸松坂屋百貨店 営業本部 MD戦略推進室 化粧品 部長、吉田薫/東急百貨店 ファッション・雑貨統括部 第二ショップMD部化粧品担当 【メディア】梅田美佐子/宝島社「アンドロージー」編集長、加藤さやか/CCCメディアハウス「フィガロジャポン」シニアエディター、木津由美子/ハースト婦人画報社「ハーパーズ・バザー」編集長代理、桐野安子/光文社「美スト」編集長、高橋絵里子/講談社「ヴォーチェ」編集長、中西陽子/マガジンハウス「アンアン」キャップ、松井朝子/ハースト婦人画報社「エル・オンライン」ビューティデスク・「エル・ジャポン」編集長代理【その他】岡部美代治/ビューティサイエンティスト、SAKURA/モデル・ビューティジャーナリスト、曽田啓子/ビューティービジネスプロデューサー、貴子/松倉クリニック代官山・院長、中嶋マコト/モデル・ビューティジャーナリスト、野毛まゆり/美容愛好家
《選定方法》
2019年7~12月に発売された化粧品(リニューアル発売・新色追加を含む)を対象に、選定委員55人が「スキンケア部門」「ベースメイク部門」「ポイントメイク・目元部門」「ポイントメイク・リップ部門」「ポイントメイク・その他部門」「ヘアケア部門」「ボディーケア部門」「インナーケア部門」「美容機器・ツール部門」「フレグランス部門」「新知見部門」「オーガニック・ナチュラル部門」「プロダクトデザイン部門」「ドラッグストア&バラエティーショップ部門」「ADビジュアル部門」「イベント部門」「ストア部門」「ブランド部門」の計18部門で1~3位を選出。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで集計し、合計ポイントで順位を決定した。なお、「イベント部門」「ストア部門」は5~9月末までの開催・オープンを対象とした。