ファッション

伝統工芸の真髄 西陣織の改革者、細尾12代目細尾真孝

 「WWDジャパン」は2017年から、ファッション界の次世代を担う人に光を当てた特集「ネクストリーダー」を実施している。対象はファッションビジネスにかかわるあらゆる分野の若きリーダーたち。この特集を始めたのは、情熱と才能を持ち、強い信念で前へ進む若いリーダーたちを応援したいから。それぞれに専門分野があり、ネットワークと情報を持つ「WWDジャパン」の記者が日ごろの取材で出会い、応援したいと考えるネクストリーダーを推薦する。第2回目の「ネクストリーダー 2019」では10組11人を選定した。

細尾真孝 細尾・常務取締役

 建築家のピーター・マリノから、「インテリアファブリックができないか」と話が来たのが2008年。西陣織は通常32cm幅だが、約1年をかけて150cm幅の織機を作り、インテリアファブリックとして「シャネル」「ディオール」「エルメス」「カルティエ」といったラグジュアリー・ブランドやザ・リッツ・カールトンなどの5つ星ホテルに供給してきた。19年は京都に旗艦店を開き、消費者向けビジネスに乗り出す。西陣織を一般家庭で使えるものにしたい。また、月旅行の実現や火星移住計画が生まれる中、ゆくゆくは西陣織の美をキープしながら、テクノロジーを織り込み宇宙にも対応できる布を作りたい。自由自在に形を変えられる布の特性を生かして、漫画「ドラゴンボール」に出てくる、あらゆる物質を小さなカプセルに収納した“ホイポイカプセル”のような、家になる布も作りたい。西陣織は世界一複雑な織り物で、9000本の経(たて)糸を1本1本コントロールでき、最大25層を重ね、その中に最先端の糸を織り込むことができるのが強み。現在、マサチューセッツ工科大学(MIT)や東京大学などと研究開発を進めているが、布の構造を西陣織で進化させる。

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