大手SPA、セレクトショップ、専門店の2019年12月の売上高(既存店ベース)は、高気温により冬物の動きが鈍く、前年実績を割り込んだという声が目立った。前年に比べ、休日が1日少なかったことも影響している。2019年秋冬商戦は、暖冬に加えて台風被害、増税なども各社を直撃。消費環境はかなり冷え込んでいる。
ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの既存店売上高は前年同月比2.0%減。「ウィメンズは比較的健闘しているが、メンズの冬物アウターやニット類の動きが厳しかった」(広報担当者)という。ウィメンズも「ダウンコートなどの防寒アイテムよりも、ウールの羽織りなどの軽めのアウターが売れた」。
アダストリアの既存店売上高は同4.1%減。客単価は同0.3%増と前年並みだったが、客数の同4.4%減が響いた。「高気温で厚手アウターなど冬物商品の売れ行きが鈍かった」といい、売れたアイテムは長袖カットソートップ、ブルゾンなど。
しまむらの主力である「ファッションセンターしまむら」の既存店売上高は同9.0%減。ブラックフライデー商戦で打ち出したティーンズ向け衣料などは好調だったが、冬物販売が伸び悩んだという。
各社から厳しい声があがる中で、「無印良品」を運営する良品計画の直営既存店売上高は同9.8%増。前年は未開催だった「無印良品週間」(12月14~25日の期間中、会員は10%割引)を開催したことで売り上げを押し上げた。「日中の気温は高かったが、寒暖差はあったので、ヤクウールのセーターや生活雑貨で冬物のファブリックなどが売れた」。部門別では、衣服雑貨が同8.4%増、生活雑貨が同6.6%増、食品が同33.5%増。
ユニクロは、1月9日に発表する19年9~11月期決算と同時に12月の売り上げを発表する予定。