「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」は、ユニ・アン(Yuni Ahn)=クリエイティブ・ディレクターが退任することを発表した。同氏は2018年12月に就任したばかりで、わずか3シーズンでの退任となる。後任は決定しており、すでに同ブランドのスタジオに参画しているが、パリ・ファッション・ウイークでアン=クリエイティブ・ディレクターによる最後のコレクションが終了した後に発表するという。
同ブランドは、「アン=クリエイティブ・ディレクターのおかげで当ブランドのスタジオチームが大幅に進化した。今後、コレクションのデザインは新クリエイティブ・ディレクターが担っていく」と声明を発表した。「メゾン キツネ」の共同設立者であるジルダ・ロアエック(Gildas Loaec)と黒木理也は、「ユニ・アンの素晴らしい活躍に心から感謝している。彼女は、パリの独立したメゾンになるという当ブランドが掲げる目標への道筋をつけてくれた。今後もその道に沿って、さらに成長していきたい」と声明文でコメントしている。なお、退任の理由は明らかにされていないが、双方の合意に基づいた決定だという。
アン=クリエイティブ・ディレクターは韓国出身。セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)を卒業後、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「クロエ(CHLOE)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」などを経て、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が率いる「セリーヌ(CELINE)」でバッグやジュエリー、サングラスなどをデザイン。その後はデザイン・ディレクターとしてプレ・コレクションとショーを統括していた。18年12月から「メゾン キツネ」のクリエイティブ・ディレクターとしてファッション部門のクリエイティブ全般を担っていた。
「メゾン キツネ」は02年の設立。ファッション、音楽、カフェの3事業を展開しているが、ここ数年は特にカフェ事業に注力している。同ブランドが手掛ける「カフェ キツネ(CAFE KITSUNE)」は東京、パリ、ニューヨーク、ソウルなど世界で8店舗を運営しており、19年12月には東京・青山店が移転オープンした。また同年9月には岡山に「カフェ キツネ ロースタリー 岡山」を開店している。
ロアエック共同設立者によれば、今後はホスピタリティー事業も展開するという。インドネシアの不動産開発会社ブヴァ・グループ(BUVA GROUP)と提携し、21年にはバリ島に「メゾン キツネ」ブランドのホテルをオープンする予定だ。