1月5日〜10日、米国ラスベガスで電子機器の見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されている。ビューティ企業も参画し、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE、以下P&G)やロレアル(L’OREAL)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON & JOHNSON)は最新の技術を生かした製品を発表。中でもパーソナライズスキンケア機器が注目を集めた。
P&Gは温式カミソリやAIを活用したスマート歯ブラシ、トイレットペーパーのボットなどを披露した。そして昨年発表し、今回パワーアップした「オプト プリシジョン スキンケア システム(OPTE PRECISION SKINCARE SYSTEM)」が今年の「イノベーション アワード」の基準を満たし、ノミネートされた。ニキビや色むらなどを簡単に隠す同システムは肌のトーンやコンディションを分析し、その上で一人一人にカスタマイズされた量のファンデーションや美容液を肌に塗布するもの。初代版は明るいスキントーンにのみ対応し、ファンデーションを塗布するだけだったのに対し、新しいものは暗いスキントーンでも使用することができるほか、美容液も含むため肌をカバーしながらケアすることも可能になった。さらに、塗布箇所にLEDライトを照射し、肌をケアする。会場で行われたデモンストレーションでは瞬時にニキビや色むらがカバーされ、さらにタオルオフした際に、ほとんど見えないほどの微量のファンデーションを用いていたことに記者や関係者から驚きの声が上がったという。
ロレアルはパーソナライズ機器「パーソ(PERSO)」を披露。コンパクトなボトルはカートリッジを複数搭載し、AI分析を利用してカスタマイズされたメイクやスキンケアが出る仕組みになっている。スキンケア、ファンデーション、リップの3種をそろえ、21年に製品化する予定だ。ファンデーションはモバイルアプリで撮影した肌を分析したのち、異なるカラーを含んだ3つのカートリッジから自分だけのカラーに合わせた処方のファンデーションを混ぜて出す。リップスティックも同様に好みのカラーに合わせて異なるカラーのカートリッジから処方が出て、ユーザーがそれらを混ぜて使う。アプリではARでリップカラーを試すことができるほか、最近のリップのトレンドなどを見ることができる。スキンケアタイプは肌のコンディションだけでなく、空気の質やポリューション、紫外線、湿度などを図ってからそのときどきに適した処方のスキンケアを出す仕組みになっている。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのスキンケアブランド「ニュートロジーナ(NEUTROGENA)」の肌診断アプリ「スキン360」もアップデートして登場した。以前はアタッチメントをスマホに装着して肌をスキャンするものだったが、今回は「ユーカムメイク(YOUCAM MAKEUP)」を手掛けるパーフェクト(PERFECT)と協業してアタッチメントなしでも高精度な肌分析を可能にした。さらにアプリで肌を分析すると一人一人の顔に合わせてシートマスクを3D印刷する技術も発表した。