クラフツマンシップの探求を続けるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=クリエイティブ・ディレクターによる「ロエベ(LOEWE)」の2020年春夏コレクションは、ギュピールレースやシャンティイレースといったさまざまなレースを駆使している。シルエットや切り替えでひねりを効かせつつ、エレガントな仕上がりだ。
その足元を飾ったのは、ローファーのデザインを取り入れた多彩なシューズ。ストレッチの効いたニーハイブーツをはじめ、甲深のハンサムなミュールや、バイカラーのチャンキーヒールパンプス、スクエアトゥのショートブーツなどをそろえる。そのほか、クロシェ編みのローヒールシューズや、バレエシューズと1970年代のトラックシューズのスタイルを掛け合わせたスニーカー“バレエ ランナー”の新色など、ノスタルジックなムードを感じるアイテムもラインアップする。
一方、丸みのある形状のバッグが数多く登場したランウェイで一際目を引いたのは、新作 “バルーン バッグ”だ。トップにレザーのドローストリングを配した巾着型で、固さの異なる2種類のレザーや異素材の組み合わせが特徴。コントラストカラーのコバをアクセントにしたスムースレザータイプからバイカラー、ラフィアやキャンバスとレザーのコンビまでを提案する。S M Lの3サイズ展開で、MとLにはショルダーストラップだけでなくトップハンドルも備える。価格帯はSで23万8000〜26万8000円。また、ミラノサローネで発表した籠細工の作品から発展したレザーの紐を編み込んだバケットバッグをはじめ、多彩なバケットバッグも披露。立体的なフラワーモチーフやビーズの装飾、バンブーのハンドルがポイントになっている。
さらに、既存モデルも豊富にアップデートしている。ノット(結び目)のディテールが特徴的な“フラメンコ”シリーズからはクラッチ(23万8000円)が新登場。取り外し可能なショルダーストラップ付きで、使い勝手も良さそう。アンダーソン就任以降のアイコンバッグとなっている“パズル バッグ”は象徴的なパネルデザインをステッチで再解釈した。クリーンなデザインにアレンジした。18年に登場して以来人気を集めているラフィアのカゴバッグも健在。より洗練されたデザインも登場し、バリエーションが広がっている。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。