ビューティ

ボリュームアップから小顔効果まで 多方面にアプローチする「3Dプラス」とは

 髪の毛の悩みで必ず挙げられるのが、加齢によるボリュームの変化。男女を問わず、自分の髪の毛が将来なくなってしまうのではないかという不安を抱えている人は多い。最近ではクリニックでの治療やパーツウイッグの着用など、一昔前はちゅうちょされていたものにも一般的な認知が高まってきたが、どこか一線を越えてしまうような気持ちになり、気が進まないという意見も多く聞く。今通っているサロンで、ボリュームアップしておしゃれに、素敵なヘアスタイルを手に入れられたらどんなによいだろうと考えている人は多いはず。そんな悩みに寄り添うメニューを提案しているサロンが東京・外苑前にあるヘアサロン「エスパー(ESPER)」。昨年の3月に、人工毛を地毛に結び付けることで、ボリュームアップをかなえる「3D プラス(plus)」というメニューを始めたところ多くの反響を集め、今ではリピート率80%を超えるメニューになっているという。年齢層の高いお客を得意とするサロンでの導入は珍しくないが、外苑前という立地でデザイン性の高いスタイルの提案に定評があるサロンでの導入は珍しい。その背景には“髪の毛を増やす”ためだけではなく、デザインを提供するためという想いがあった。ヘアサロン=髪を切りに行くところ、という認識を超えたメニューを提案する同サロンで「3Dプラス」の施術を担当する2人のスタイリストに話を聞いた。

WWD:「3D プラス」を導入した理由は。

笠井美咲木スタイリスト(以下、笠井):抜け毛や細毛を解消してボリュームアップをしたいとか、髪に変化を感じてうまくセットができないといった悩みは昔からあったものです。当サロンで「3D プラス」として施術しているような技術は以前からあったものですが、これまではためらわれる打ち出し方だったり、医療に近いものという印象が強く、積極的に勧めたいとは思えなかったんです。だからこれまではヘッドスパや頭皮環境を整えて育毛するように促してきました。けれどもヘアケアでは対応できず、どうしたらよいのか分からないというお客さまもいらっしゃいます。そういった方がたに手を差し伸べられると思い、素材やテクニックの差などをモニター検証したうえで導入しまた。

WWD:ヘアサロンで「3Dプラス」を施術するメリットは。

深見真帆スタイリスト(以下、深見):これまで通ってきたサロンでボリュームアップのための施術を受けられるので、気持ちが楽だという声をいただいています。またクリニックや大手のヘアウイッグメーカーは初期費用が膨大にかかることがありますが、当サロンには会員費や年会費は一切ないですし、カットやカラー、パーマを受けるのと同じ感覚で、その都度受けたい分だけやって精算することができます。(※初回400本~ シャンプーブロー代込み2万1000円~)

WWD:どのような施術ですか。

笠井: 当店では1本の地毛に2本、もしくは4本の人工のエクステを結び付ける形をとっています。結び方は地毛と絡ませてしっかり固定する方法と、地毛に結び目を作ってひっかける方法があります。前者は地毛が伸びるとともに結び目の位置がずれていきますが、後者の場合は根元につめるリペアができます。両方のメリットデメリットを説明して、お客さま自身に選んでいただきます。メンテナンスが必要な施術なので、1回で多額の料金をいただくのではなく、将来を見据えて継続が可能な範囲を話し合ってご提案することを心掛けています。

WWD:お客さまの来店頻度はどのくらいですか。

深見:地毛が伸びてくると結んだ根元が浮いてくるので、1カ月半~2カ月を推奨しています。根元のボリューム感や透け感を解消したいという目的であれば、浮いてきてしまったら結び足しを行い、伸びたものと根元に結び足したものとがバラバラになるように結び付けて自然と地毛になじみながらボリュームアップできるようにデザインします。例えば最初に600本結び付け、その状態をキープしたいのであればヘアサイクル上3分の1から4分の1程度が抜けていると想定して残っているのは400本ぐらい。抜けた分の200本とプラスアルファで300程度足せば同じようなスタイルが保てるとお伝えします。

WWD:リピート率や施術人数はどのぐらいですか。

笠井:1カ月25日の営業でだいたい20~30人程度ですが、リピート率は現在80%と上がってきています。施術者が2人しかいないことと、施術できるスペースも決まっているので、なるべく理想的なタイミングでメンテナンスができるよう、次回予約も取っていただくようにしています。

WWD:「3Dプラス」を使うことでどのようなスタイルが可能になりますか。

深見:ボリュームが足りなかった部分が立体的になり、今まであきらめていたヘアスタイルにもチャレンジできるようになります。お悩みは千差万別なのでどこに重点を置きたいかを丁寧にヒアリングするようにしています。例えば身長が低い人は前髪の割れよりも頭頂部の方が気になるとか。

WWD:意外と男性にも人気があるようですね。

笠井:お客さまは7対3で女性が多いのですが、女性の場合は20~70代までと幅が広いのに対して、男性だと20・30代に人気です。クリニックに行くことを躊躇される方も多いのと、奥さんに勧められたり、一緒に来店されることもあるんです。最初はちゅうちょしていても、仕上げをしたときにはすごく明るい表情になっています。回数を重ねるごとに変化するので、セットする際にハードスプレーを使わなくてよくなったという声も聞きます。

WWD:ボリュームの変化だけではなくいろいろな悩みに応用できる技術とか。

深見:生え癖で割れてしまう場合の矯正や、前髪や欲しい部分に厚みを出す際にも使えます。ハリのある人工毛を地毛に交ぜることで、厚みと立体感が生まれるので小顔効果もあるんです。エイジングケアも含めていろいろな可能性があります。細い癖毛の人に対してはハリのある人工毛が間に入ることで、湿気で出るうねりを軽減する効果も。男女を問わず提案できるので、ネガティブな話ではなく、デザイン性が上がるとオススメしています。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。