※この記事は2019年12月12日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
財布の紐が固いママをどう攻略するか
はじめまして。「HER OPINION」をスタートすることになった「WWD JAPAN.com」編集部のふくざきです。今の時代、働く女性、そして働くママが増えてきているのは周知の事実だと思います。そして今、若い女性から発信される“フェミニズム”が話題になるなど、女性の性を意識するニュースが多くなってきています。私自身、1人目を産んだ12年前は前の会社でしたが、一人もママがいなくて、今の会社に移ってきた来たときも、子どもを産んだ人はいたものの働き続けている人はおらず、本当にマイノリティーだと感じることがしばしばでした。
今、弊社もやっとママが増えてきて、会社で“ママトーク”をすることも多くなってきました。嬉しい〜〜。そして周りも時代の流れとともに、ママを理解してくれるようになってきたと思います。このエディターズレターでは、ママが気になるだろう話題だけでなく、女性なら気にしてしまうあれやこれやをピックアップしてお届けします。そしたらきっと、男性にも参考になるのではないでしょうか。
最初の話題は、社内でも盛り上がった、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が初めて発売したマタニティーウエアです。ダウンコートやフリースワンピース、パンツなど全6型。中でも1番気になったのは、ダウンコートです。ヘビーキャリアカバーをコートにつけることで赤ちゃんを抱っこしたままで着用できて、ベビーキャリアカバーは抱っこ紐に装着したり、ベビーカーに付けたりと複数の使い方ができます。こういう何通りにもなるマタニティーウエアってこれまでも無いわけではなかったですが、ザワっとしたのは「ザ・ノース・フェイス」から出たから。私が1人目を産んだ12年前だったら、ただ「7万8000円!高い!無理」と思ったでしょう。でもこれだけブランドの人気が高まった今だから、「7万8000円、高い!でも『ザ・ノース・フェイス』だからおしゃれに見えるし、いい素材使っているだろうし、何通りにも使えて抱っこが終わった後もずっと着れそうだし、高くないよね」って買っちゃう。これこそ、ブランディングですよね。高い人気の“今”に、明らかに独身時代よりも財布の紐が固くなっているママの心理を分かっている、くすぐる“売り(お得感)”がたくさんある。きっと売れます。でもママであっても女性だから、ずっと着続けるとは思えません。だからこのダウン、数年後にはメルカリで話題になりそうです。ママは賢くお買い物するので。財布の紐が固いママの心をどう動かすか。これってママアイテムだけじゃないですよね。
HER OPINION:ママ、女性に関連するファッション&ビューティ業界の話題をお届けします。今、働くママを含めた社会進出が進む女性に関わる情報が増えてきました。彼女らにまつわるニュースをピックアップすることで、彼女らを支える彼らにも役立つニュースを紹介します。
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