「セリーヌ(CELINE)」の2020年春夏コレクションは、昨秋冬シーズンに打ち出した1970年代風ブルジョアスタイルの流れを踏襲した。ただ今季の舞台はパリではなく、南仏にある高級避暑地のサントロペ。リゾートを訪れるブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)やシャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)、ジェーン・バーキン(Jane Birkin)らパリジェンヌのスタイルからイメージをふくらませた。デニムシャツ&ジーンズの上に紺のブレザーを羽織ったルックからスタートしたショーは、デニムアイテムをはじめ、ひざ下丈のキュロットやスカート、軽やかなドレスがスタイルの鍵となった。
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バッグで大きくフィーチャーされたのは、パリの凱旋門を囲む鎖から着想を得た“トリオンフ”の金具を楕円で囲んだデザインが特徴的な“マイヨン トリオンフ”シリーズ。19年秋冬にデビューしたフラップ型チェーンショルダーバッグを多彩な素材バリエーションで見せたほか、バケットバッグやレザーストラップ付きの丸みのあるショルダーバッグなどの新作モデルを提案する。さらに、アーカイブのバックルをポイントにしたショルダーバッグやロゴをあしらったテキスタイルとレザーを掛け合わせたトート、大きな“トリオンフ”のレザーピースを飾ったラフィアのカゴバッグ、小ぶりなラタンのバケットバッグもラインアップ。ゴブラン織りの生地やスエードといった素材、そしてフリンジやスカーフの装飾が、ボヘミアンやエスニックのムードを醸し出す。
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足元は、キュロットやデニムスカート、ドレスにニーハイブーツをコーディネート。ジーンズやスラックスには、真っ白なローテクスニーカーや、プラットフォーム×ウェッジソールのサンダル、キューバンヒールのショートブーツを合わせた。また、ショーに登場しなかったアイテムには多彩なスタイルのフラットサンダルやエスパドリーユ、クロッグ、バブーシュ、ローファーなどもあり、欲しいアイテムが必ず見つかるようなラインアップの豊富さが魅力的だ。
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JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。