ティファニー(TIFFANY & CO.)は、ニューヨークのマンハッタン5番街に位置する本店の約2年間におよぶ全面改装に伴い、隣のビルにすべての店舗機能を移転させた期間限定の旗艦店「ザ・ティファニー・フラッグシップ・ネクストドア(The Tiffany Flagship Next Door)」を1月13日にオープンした。同店は、今後も通常通りの営業と来店者数を維持するため、店舗内部やウインドーディスプレー、通路の装飾など、至る所に工夫が凝らされている。
同店はかつて「ナイキ(NIKE)」のストアが入っていた建物の4フロアを使い、世界各地の通常店舗と比べてライトでユニークなタッチに仕上げられている。花のオブジェやケースが並べられた店内、化粧鏡で商品を試着できる“スタイルスタジオ”、そしてジュエリー専門のスタイリストを用意するなど、“ラボラトリー(実験室)”として新しいストアデザインやマーチャンダイジング・テクニックが導入されている。
広々とした店内には商品を見たり試着をしたりするスペースが十分に設けられており、ポップアップの設置や展示もしやすい構造になっている。
ティファニーのビジュアル・マーチャンダイジング・チームは、スポーツブランドである「ナイキ」の店舗を洗練されたラグジュアリーな空間につくり変えるべく、中心部のアトリウムにティファニーブルーのボックスを積み上げた高さ約12.8mのエンパイア・ステート・ビル(Empire State Building)のレプリカ、上下に伸びるLEDスクリーンも設置されている。
また、レトロな家具やフローラルデザイン、グリーンなどを用いることでスチールの梁やエスカレーターなどのコンテンポラリーな要素が引き立てられており、ニスが塗られていない明るい色のウッドパネルやコンクリートの壁面とのコントラストもいっそう際立っている。また、フロアの階数表示はニューヨーク地下鉄の標識から着想を得ているほか、マンハッタン・スカイラインの壁画が随所に施されている。
「ティファニー」のクラシックな商品は現在のトレンド商品と共に新たな方法で展示されており、これまで数々のアイコンをデザインしてきたエルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)のジュエリーは、「ティファニー」らしさ満点のハウスウエアと共にディスプレーされている。また、パール・コレクションも今風の新しい雰囲気で展示されており、パールにあまりなじみのない若者世代にも目を向けてもらいたいという狙いだ。
なお数カ月のうちに、近々発表される“T1”コレクション用の新たなストアデザインの導入も計画されているという。いよいよ本店の改装が始まるが、デザインの詳細等はまだ明らかにされていない。