阪急うめだ本店は、22日に開幕するバレンタイン催事「バレンタインチョコレート博覧会2020」のプレス向け内覧会を開いた。今年は約300ブランド、約3000種類のバレンタイン商品が店内5カ所の会場に集結。過去最高額を記録した昨年を1億円上回る、売上高約25億円をめざす。会期は2月14日まで。
日本最大級の規模を誇る同店の「バレンタインチョコレート博覧会」は、バレンタインデー本来の「ギフト」としての枠組みを超え、チョコレートを純粋に楽しみたいファンのための年1回の祭典として定着している。開幕前に配布されるガイドブックで事前チェックを済ませてからイベントに臨む気合の入った常連客も多く、会期中は仕事帰りなどに何度も来店するリピーターも多いという。
同催事は毎年、切り口を変えてチョコレートの魅力や楽しみ方を提案しており、今年は“あなたの中のチョコレートの常識を変えます”がテーマ。ガナッシュなどの詰め物が入ったひと口サイズのチョコレート、ボンボンショコラにフォーカスする。「この2年ほど、ボンボンショコラが売れないといわれていた。その理由をひも解くと、ウイスキーボンボンのような、お酒の入った敷居の高いチョコレートだと誤解している人が多かった。その認識を変えたいという思いがあった」と、イベントを担当する阪急阪神百貨店フード商品グループフードマーケティング部シニアマネージャーの高見さゆり氏。
9階阪急うめだギャラリーに設けた「ワールドチョコレートライブラリー」の会場では、ブランドごとのボンボンショコラそれぞれを断面図で見せ、構造や材料など細部まで紹介。ショコラティエのこだわりを五感で感じながら味わうことができるという提案だ。「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の辻口博啓氏は内覧会で、刃物メーカー貝印と共同開発し、これまでに1万本以上を販売したショコラ専用カッティングツールを紹介した。
他にはない独自の視点でチョコレートの魅力を探求し、発信し続ける6人のショコラティエに注目した「ジャパンクリエーションチョコ」(9階祝祭広場)のブースも設けた。「クラブハリエ」の山本隆夫氏は、発売50周年を迎える明治の人気菓子“アポロ”とコラボ。ショコラティエの手で一粒一粒丁寧に作ったボンボンショコラを限定発売し、山本シェフが監修した大人味の“アポロ”もバレンタイン限定で販売する。そのほか「パティシエ エス コヤマ」の小山進氏や、農家目線で食材を捉える次世代ショコラティエの上垣河大氏らが出店。ファッションやフードの分野で注目されている“ボタニカル”に着目し、植物由来のフレーバーや花の形のチョコレートなどを集積した「ボタニカルチョコ」(9階アートステージ)のゾーンも新提案だ。
チョコレートソムリエが世界から集めた、カカオ豆からチョコレート製造までをワンストップで行う“ビーン トゥー バー”チョコやカカオ生産国ごとの味の違いを楽しめるタブレットなど、カカオを軸にした楽しみ方を提案するのが「カカオワールド」(9階催場)。今回は初めてカカオ料理を味わえるカカオフードトラックが登場する。カカオニブと唐辛子の香りが食欲をそそる汁なし坦々麺や、鹿の血とカカオパウダーを纏わせたフォアグラのテリーヌなど、人気レストランが手掛けたカカオ料理を堪能できる。「(バレンタイン催事では)イートインも人気で、甘いものから裾野が広がってきている。常連客の期待値の上を提案していくため、毎年新たなことに挑戦していく」(高見氏)。