ファンケルは2月20日、一人一人に最適なサプリメントをワンパックにして届ける通信販売サービス「パーソナルワン」を発売する。これは“食習慣や生活習慣のアンケート”と“尿検査”から顧客の健康状態を分析し、最適なサプリメントをオーダーメイドで提供するサービス。顧客が求める健康作りをパーソナルにサポートするサプリメントとして、健康意識の高い50~60代の男女をメインターゲットに展開する。
このサービスを可能にしたのは、“尿検査”で基本栄養素の充足度を可視化することを実現した、同社を中心とする研究開発チームの成果による。「通常、栄養状態は血液検査などで測るものだが、採血には痛みを伴う。そこで当社研究所では、体に負担をかけずに栄養成分を測定する方法の研究を行ってきた」と池森賢二・名誉相談役 ファウンダーは話す。中でも尿検査による“鉄”と“亜鉛”の分析技術の実用化は、世界に先駆けた新技術だという。
尿検査と“食習慣や生活習慣に関するウェブアンケート”から、一人一人に適した“ベースサプリ”と“健康悩み対策サプリ”を割り出し、その組み合わせを自社工場でオーダーメイドで生産して1カ月に1度提供する。組み合わせは10億通り以上になるという。
これまでのサプリメントは、自分の悩みに応じたものや、目的に合ったものを購入するのが一般的だった。その点「パーソナルワン」は、自分に足りない栄養素を割り出してもらえ、提案されたサプリメントの中から希望するものを購入するというシステムで、これまでとはアプローチが異なる。価格も選ぶ種類によって約4000~4万円と幅がある。
「ファンケルは今年創業40周年を迎えるが、『パーソナルワン』は当社が25 年以上の歳月で積み上げてきたサプリメントの研究開発成果の結晶で、サプリメントの最高峰だと考えている。“人生100 年時代”ともいわれる中で、健康寿命への関心に応え、医療費の抑制にも貢献していきたい」と島田和幸・社長兼CEOは意気込みを語った。
ファンケルは1994年に、日本ではまだなじみのなかった“サプリメント”という言葉を用いて市場に参入。2004年には業界でいち早く薬とサプリメントの飲み合わせを調べることができる「SDIシステム」を開発した。15年には日本初の機能性表示食品「えんきん」を発売するなど、長きにわたりサプリメントのリーディングカンパニーとして存在感を示してきた。今回の「パーソナルワン」は、池森名誉相談役が「94年にサプリメント開発を始めた頃からずっと最終目標だと考えてきた」というほど注力したものであるだけに、業界内外の注目を集めそうだ。