英国のヘンリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)夫妻による王室シニアメンバーからの離脱表明がメディアをにぎわせているが、実はその影に隠れた英国王室の注目すべきニュースがある。
ウィリアム王子(Prince William, Duke and Duchess of Cambridge)が環境問題解決に取り組む個人や団体を表彰する「アースショットプライズ(THE EARTH SHOT PRIZE)」を創設するというもので、昨年末の12月31日に英国王室が発表した。これは2021~30年を「地球修復に向けた行動を取る10年」と位置づけ、毎年5組に授与し、30年までに気候変動やエネルギー、自然や生物多様性、海洋プラスチックごみや大気汚染、安全な水の確保などの問題の解決法を見出すというもの。賞金は数百万ポンド(数億円)とウワサされているが、詳細は今後発表される。
ウィリアム王子は、「地球は転換期にあり、私たちは選択を迫られている。このまま地球が回復不能になるまでダメージを与え続けるか、あるいは私たち人間の持つ独自の力を思い出して継続的に問題解決に取り組むか――私たちは達成できるはずだ。次の10年は地球の修復という私たちに与えられた試練だ」とコメントを発表している。
ちなみに“アースショット”は1960年代のジョン・F・ケネディ大統領の演説から生まれた“ムーンショット”をもじったもので、達成は困難だが、成功すれば大きな成果を得ることを意味する。