「ロエベ(LOEWE)」と自身のブランド「ジェイダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」を率いるデザイナーのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、4月23〜27日に南フランスで開催される「第35回イエール国際フェスティバル(以下、イエール賞)」ファッション部門の審査員長に選ばれた。期間中には、自身が手掛ける2ブランドの作品を集めた展覧会も開催する。
これまで「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」や「ロエベ クラフト プライズ(LOEWE CRAFT PRIZE)」の審査員も務めている35歳のアンダーソンは、「このようなポジションに選ばれるとは思ってもみなかったが、エキサイティングなものになるだろう」とコメント。今回初めて参加することになるが、「長い間、『イエール賞』の動向には注目していた。若い才能にとって象徴的なフェスティバルになっている『イエール賞』に関わり、自分がどのように役に立てるかを楽しみにしている。風景や会場もとても美しくて、毎年、みんなが素晴らしい時間を過ごしているようだしね」と続ける。
また、アンダーソンは他の審査員の選出にあたり、「自分は誰の意見を信じるか?」ということを自問したという。結果的に選んだのは、クリエイティブ・コンサルタントで作家のアマンダ・ハーレック(Amanda Harlech)、モデルのカイア・ガーバー(Kaia Gerber)、フォトグラファーのタイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)、サウンドデザイナーのミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)、俳優のアルノー・ヴァロワ(Arnaud Valois)、スタイリストでクリエイティブ・コンサルタントのベンジャミン・ブルーノ(Benjamin Bruno)、アート・ディレクターのロニー・ニューハウス(Ronnie Newhouse)、ジャーナリストのティム・ブランクス(Tim Blanks)とデレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)、「ヴォーグ オム インターナショナル」のオリヴィエ・ラランヌ(Olivier Lalanne)編集長、そして、昨年のグランプリでもあるファッションデザイナーのクリストフ・ランフ(Christoph Rumpf)の11人。「さまざまなプロジェクトに一緒に取り組んできた、深く信頼しているファッション界のファミリーのような人々を選んだ」と明かす。
「イエール賞」は、「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)や、「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」を手掛けるジュリアン・ドッセーナ( Julien Dossena)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」を率いるアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」のクリティティブ・ディレクターにも抜擢された「ボッター(BOTTER)」のルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)らが過去の受賞者として名を連ねる若手の登竜門だ。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。