ファッション
連載 編集長・向の今日は誰と会って、何食べた?

編集長はオートクチュールで何した?Vol.3 「マルジェラ」でラッパーKOHH、ミキモト×ギャルソン、「ゴルチエ」ラストショー

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。パリの街では黄色いミモザの花がたくさん見られる季節になりました。オートクチュールのスケジュールはプレタポルテよりもだいぶ余裕があります。が、今日だけは別。話題のコラボなどニュースが盛りだくさんの一日でした。

1月22日(水)10:00
いろいろな意味でおもしろい
「マルジェラ」

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)ではオートクチュールを“アーティザナル”と呼び、メゾンの “原液”と位置付けて実験的なアプローチを行います。デザイナーの視点を濁りなく注ぐ、そのことがブランドを強くし、プレタポルテの“売れる”商品につなげています。だから服だけではなく、会場もモデルも一貫性がありおもしろい。

 今季のキーワードは“ブルジョワ・ジェスチャー”と“ワーク・イン・プログレス”。正直、前者は難解ですが、後者はわかりやすく、会場演出にも反映されています。下の動画は独特なウォーキングで話題になっているモデルのレオン・デイム(Leon Dame)。今季はいつもよりエレガントです。

10:00
「メゾン マルジェラ」に
集まる人たち

こちらは会場でのスナップです。ラッパーのKOHHさんが隣の隣の席に登場したのがまず嬉しく、根ほり葉ほり聞いちゃいました。昨年「モードって何?」特集でフォトグラファーの鈴木親さんが「モードだと思う人」に挙げていたのがKOHHさん。全身タトゥーにスーツ、毛皮のブルゾンがおしゃれでした。

11:00
近所のドーバーに香水を見に行く

 ショーが終わり会場の外に出ると路面にも“タビ(TABI)”と「リーボック(REEBOK)」のコラボシューズのピンクの足跡が続いています。たどっていくと近くの「ドーバー ストリート パフューム マーケット(DOVER STREET PAFUME MARKET)」に到着。マルジェラの香水「ミューティニー(MUTINY)」のイベントが開かれていました。と、いった足取りを約1分の動画に収めました。よろしければ臨場感をお楽しみください。

14:00
男性につけてほしい
パールのネックレス

 「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS」がコラボレーションして誕生したパールのネックレス7型がお披露目になりました。パールは女性のイメージが強いけれど、これは“男性こそ楽しんで”、というコンセプトのパールです。黒真珠を使ったりスタッズを合わせたりではなく、クラシックなパールのネックレスの印象を残しているところがイイですよね。

16:00
「ヴィクター&ロルフ」の
会場を出ると

 「ヴィクター&ロルフ」の会場から出るとバックステージに帰ってゆくモデルたちと遭遇しました。大きなドレスを着てフツウにおしゃべりしている姿がかわいいです。

18:00
夢を形にする
「ヴァレンティノ」

 オートクチュールの意味を言葉にするなら「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のリリースに書かれていた一文を引用するのが適切でしょう。「夢そのものになるため、クチュールではジェスチャーやテクニック、ファンタジーといったほとんど明らかにされていないものを結集します。こうした秘密によって定義され、制作する過程において、作り手によって伝えられていくのです」。完璧。

20:30
「ゴルチエ」のラストショーに
涙なし

 ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の最後のオートクチュールショーは、フランスのテレビ局が事前にニュースで取り上げるなど国民級の注目を集めていました。そしてシャトレ座の幕が上がると舞台にはボーイ・ジョージ(Boy George)を筆頭に有名人が次々登場し、歌あり踊りありで大盛り上がり。さながら紅白歌合戦です。

 その中でコーンブラやコルセット、トロンプルイユにタキシード、トリコロールといった、ゴルチエのアイコニックなスタイルが次々披露されました。プレタポルテのラストショもそうでしたが今回も涙は一切ナシ。青いつなぎ姿のゴルチエもご覧の通り元気に飛び跳ねて軽やかに「バイバイ」と手を振り去っていったのでした。ブラボー!それでいい、それがいいと思います!

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