※この記事は2019年10月3日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「グッチ」の持続可能なファッションショー
2020年春夏もやはり「グッチ(GUCCI)」が面白いですね。ファーストルックから続いたオールホワイトのオーバーサイズユニホーム群に「うへ、何事?」と驚かされましたが、今季はターニングポイントとなるシーズンなのではないでしょうか。
1600万が視聴したという中国版ツイッター、ウェイボーでのリアルタイム配信とは別に、今回の「グッチ」のショーではもうひとつ新たな試みがありました。国際規格「ISO 20121」に準拠したサステイナブルなショーだったということです。持続可能なイベント運営のためのマネジメントシステム規格で、2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックで活用され、20年の東京大会でもこの規格に沿ったマネジメントシステムの導入が決まっています。
米「WWD」の原文記事ではワンパラグラフであっさり触れているだけでしたが、折しも温室効果ガスの排出を相殺する“カーボンニュートラル”宣言をした直後のショー。シーズンごとの華やかなショーの開催って、サステイナブルの観点からするとどうなのだろうか?と私も少なからず疑問に思っていますが、それに対するひとつの回答でしょう。
弊紙のサステイナブル担当は「招待状からしてシンプルになったところに違いを感じた」と言っておりましたが、確かに思い返してみれば「グッチ」のインビテーションはこれまでだいぶ“オブジェ”でしたよね。
10月14日号「WWDジャパン」のミラノコレ特集第2弾ではこのショーをサステイナブルの切り口で詳報予定です。ショーのセットは捨てないのか?ショーによる温室効果ガスを相殺するために何をするのか?ショーを語る上での新しい視点が提示されそうです。
ケリングはグループ全体でカーボンニュートラルを宣言しているので、今後「サンローラン」や「ボッテガ・ヴェネタ」なども導入することでしょうし、その他のブランドも追随することが予想されます。ライバルLVMHの猛追も始まりそうです。
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