スイス発ジュエラーのドゥ グリソゴノ(DE GRISOGONO)が1月29日に倒産した。1週間前にアンゴラ前大統領の娘であるイザベル・ドス・サントス(Isabel dos Santos)のスキャンダルに関与したと報道されたばかりだ。同社は数カ月にわたり買収先を探していたが買い手を確保できず、スイス当局に倒産申請が認められれば、65人の従業員は失業する。「ドゥ グリソゴノ」は1993年にファワズ・グルオジ(Fawaz Gruosi)が創業。ブラックダイヤモンドや、透明度の低いダイヤモンドなどを使用した大胆なジュエリーでパリス・ヒルトン(Paris Hilton)やシャロン・ストーン(Sharron Stone)などセレブリティーご用達のジュエラーになった。
国際調査報道ジャーナリスト連合によるルワンダ・リークス調査文書でドゥ グリソゴノとドス・サントスがアンゴラ政府の資金を悪用していたと報道。創業者のグルオジは2019年初旬に同社を去っており、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ピアジェ(PIAGET)」で要職を務めたフランス人のセリーヌ・アシモン(Celine Assimon)が最高責任経営者に就任し、新進気鋭のジュエリーデザイナーであるエマニュエル・ターピン(Emmanuel Tarpin)をゲストデザイナーに迎えるなどブランドの刷新を図っていた。
同社はドバイやクウェートの旗艦店をはじめ、ジュネーブ、ロンドン、パリ、カンヌ、サン・モリッツなどにブティックを構えている。日本ではムラキが輸入販売を行っていたが、昨年末で取り扱いを終了している。