H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)は1月30日、ステファン・パーション(Stefan Persson)会長が退任することを発表した。これに伴い、カール・ヨハン・パーション(Karl-Johan Persson)最高経営責任者(CEO)が会長に就任するため、新CEOとしてヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)最高執行責任者(COO)が同日付で就任した。
同社は1947年にアーリング・パーション(Erling Persson)がスウェーデンで創業。女性が同社のCEOを務めるのはこれが初となる。
ヘルマーソン新CEOは現在46歳。1997年に購買部門のエコノミストとしてH&Mに入社した。購買や生産部門でさまざまな経験を積み、サステナビリティ・マネジャーに就任。その後、香港でプロダクション・マネジャーを務めた。2018年からはCOOとして、ロジスティクス、生産、テクノロジー関連分野などを担当していた。
パーション新会長は、「ヘレナはH&Mのさまざまな分野で経験を積んでおり、この会社のことをよく知っている。彼女はオープンマインドで勇気があり、リーダーとして社員から尊敬されている」と語った。
H&Mは19年11月通期決算を同日に発表しており、売上高が前期比10.6%増の2327億スウェーデンクローナ(約2兆5597億円)、純利益が同6.2%増の134億4300万スウェーデンクローナ(約1478億円)と増収増益だった。セールを減らして定価での販売を増やし、ECサイトや物流施設を改善するなど、以前から取り組んできた戦略が奏功した。パーション新会長は、「何年か苦戦したが、努力が実を結んでよい結果を得ることができた。経営陣の交代にもよいタイミングだと思う」とアナリスト向けの決算説明会で述べた。