ファッション

「カルティエ」「クロエ」を擁するリシュモングループ ミラノ発老舗バッグブランド「セラピアン」を改革

 「セラピアン(SERAPIAN)」は、1928年にイタリア・ミラノで創業した高級レザーブランドだ。2017年夏に「カルティエ(CARTIER)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するリシュモングループ傘下に入り、新たなステージを迎えている。19年11月には日本初の直営店を大阪・阪急うめだ本店にオープンし、2月19日〜3月3日にはギンザ シックスで2週間のポップアップを開くなど、今後も出店を控えている。

 ブランドの魅力についてジャコモ・コルテシ(Giacomo Cortesi)セラピアン CEOは「“ミラネーゼブランド”らしい洗練されたデザイン」と語る。ミラノの本社は、20世紀初頭に建てられた歴史的建造物であるヴィラ モーツァルトの中。「ミラノを拠点にし、ミラノでも最も美しいといわれるヴィラに本社を構えている。ショールームもあり、キャンペーン撮影も建築を背景に行っている。リシュモングループが『セラピアン』を買収した理由は、ブランドに美しい歴史があること。バッグは700種類以上、テキスタイルは3000種類以上のアーカイブがあり、セラピアン一家が運営してきた素晴らしいファミリーのDNAが残っている」と説明する。

創業者が生み出したアイコン“モザイコ”

 ブランドを代表する商品は、独自の編み込み技法で作られる柄“モザイコ(MOSAICO)”だ。ブランドの創業者であるステファノ・セラピアン(Stefano Serapian)が 1940 年代に生み出し、今もブランドの職人たちが手作業で生み出している。「セラピアン」の職人たちはレッド、イエロー、グリーン、グレーなど1人1人のパーソナルカラーを持っており、自分の色のレザーをサインとしてバッグに編み込んでいる。また、デザインは丸みのある形が特徴。「柔らかなレザーを扱いながら、ウィメンズもメンズも商品にフェミニンな要素が加わっていて、『セラピアン』は尖った商品は扱っていない」とコルテシCEO。

 また、「セラピアン」はビスポーク(注文品)でも有名だ。「私たちはビスポークのブランドといっても過言ではないほど、お客さまに合わせた商品を多く手掛けている。ミラノのショールームでは色の注文を受けるイージービスポークから、1からお客さまの好みに合わせた商品を作るフルビスポークも承っている。今後このサービスを日本でも広げていく」という。今後の出店については「リシュモングループでは投資をして積極的な出店計画を立てている。今後3年間、グローバルで30~50店舗のデジタルやショップインショップを含む出店を目指す」と語った。

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