ビギホールディングス(HD)は3日、新社長に現メルローズ社長の武内一志氏(61)が3月1日付で就任するトップ人事を発表した。武内氏はメルローズ社長との兼任となる。同時に、ビギHDの大株主であるMSDファンドの安田浩共同代表が代表取締役会長に就任する。
武内氏は桑沢デザイン研究所を卒業後、1985年にビギ(現ビギHD)にデザイナーとして入社。92年にグループ会社のメルローズに移籍し、「マルティニーク(MARTINIQUE)」「ティアラ(TIARA)」など主力ブランドを立ち上げ、商業施設への出店を果たした。2000年に常務取締役に就任、07年から現職。
ビギHDは18年に三井物産の傘下に入り、外資系企業トップなどを歴任した唐木利治氏を社長に招へい。同氏の指揮の下、約1年半に渡って海外事業やEC強化にあたってきた。今回の社長交代は、「唐木(社長)の下でガバナンス強化に努めてきたが、改革に一定のメドがたったとみて、さらなる成長のために次のステップに移るため」(同社広報)。グループ生え抜きでブランドの立ち上げなどに実績のある武内氏にバトンを渡し、グループ本来の強みであるコンテンツ力の強化に立ち返る。「グループの根源的な価値を作ってきた(武内氏の)経験や知見、幅広い人脈などを生かす」。
なお、唐木現社長は代表権のない取締役に退き、5月末で退社する。グループ創業者の大楠祐二氏も同社の最高顧問職を退任し、グループから離れる。