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花王の19年12月期は7期連続過去最高益 化粧品事業がけん引 売り上げは横ばい

 花王の2019年12月期(国際会計基準)は、売上高が前期比0.4%減(為替変動の影響を除く増減率では実質0.7%増)の1兆5022億円と横ばいで推移したが、営業利益が同1.9%増の2117億円となり、10期連増の増益、7期連続の過去最高益となった。純利益は同3.6.%減の1482億円だった。

 事業部別では、コンシューマープロダクツ事業の売上高は同2.0%増(実質2.9%増)の1兆2570億円となり、その中の化粧品事業の売上高は同7.8%増の3015億円だった。18年5月にグローバル戦略ブランドとして選定した11ブランド(G11)と日本を中心に育成する8ブランド(R8)を定め、投資を集中する中で好調に売り上げを伸ばした。20年3月期の目標達成に掲げた売上高3000億円、営業利益率10%を1年前倒しで達成した。G11ではセルフ化粧品の「フリープラス(FREEPLUS)」「キュレル(CUREL)」が日本や中国市場で伸長し、「スック(SUQQU)」「ソフィーナ iP(SOFINA iP)」も売り上げを伸ばした。さらに欧州で展開していた「センサイ(SENSAI)」を19年5月に刷新し、9月には伊勢丹新宿本店にショップを構えるなど日本での展開をスタート。12月には“第二の皮膚”技術のファインファイバーテクノロジーを応用した製品を発売して話題を呼んだ。また、eコマースや免税チャネルの強化を継続し、デジタルマーケティングに移行したことも好結果につながった。

 スキンケア・ヘアケア事業の売上高は、同0.2%減(実質1.1%増)の3408億円。スキンケアは「ビオレ(BIORE)」が貢献して売り上げを伸ばしたものの、ヘアケアはマス市場が縮小している影響を受け、ほぼ前年並みで着地した。サニタリー製品などを展開するヒューマンヘルスケア事業の売上高は同4.7%減(実質3.5%減)の2552億円、衣料用洗剤などを取り扱うファブリック&ホームケア事業の売上高は同4.5%増(実質4.6%増)の3595億円、ケミカル事業の売上高は同8.6%減(実質6.6%減)の2859億円だった。

 エリア別は日本が同0.8%増の9470億円、アジアが0.8%減の2933億円、米州が1.9%減の1378億円、欧州が6.2%減の1239億円だった。

 20年12月期は、中期経営計画「K20」の最終年度だが、国際的な貿易問題や中東を巡る地政学リスク、新型コロナウイルスの影響により予測が困難で、不透明な経営環境が続くと判断。そのため、連結業績予想は一定幅をもたせ売上高が前期比0.5%~1.8%増(実質2.3%増~3.6%増)の1兆5100億円~1兆5300億円。営業利益が同3.9%増~8.6%増の2200億円~2300億円、純利益が同3.9%増~8.6%増の1540億円~1610億円と予想する。コンシューマープロダクツ事業の連結売上高は、化粧品事業の同5.1%増の3190億円を含み、同3.3%増の1兆2690億円を予想する。

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