※この記事は2019年8月28日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
ヘア業界の甲子園観戦記
今週、久しぶりにヘアコンテストの審査員を担当させていただきました。この大会は5、6年前、ヘアコンテストさえ3、4年ぶりでしょうか?野球界なら甲子園、ファッション界ならロープレ大会、それがビューティ界ならヘアコンテスト、と思っています。純粋に「何かに打ち込むって良いな」「みんなでアツくなれるって素敵だな」と思いました。
このヘアコンテストは、「WWDジャパン」が導いたトレンドを基にテーマを決定。関西のスタイリストはヘアを核に、メイクやネイル、洋服、アクセサリーまでを通して、このテーマを表現します。今回のテーマは、「Update Classic」。2019-20年秋冬最大のトレンドになりそうな、現代流のクラシックです。
僕は基本ファッションの人なので、この手のヘアコンテストでもやっぱり、洋服にも目が行っちゃいます。すると参加したヘアスタイリストの大勢は、オーバーサイズやデコンストラクト(脱構築)、襟抜き、アシンメトリーなトレンチコートやジャケットをモデルに着せて、太いベルトでウエストの上部をしっかりマーク。ボトムスはロングスカートやフレア気味のパンツでプラットフォームブーツをコーディネイト、というスタイルが連発していることに気づきます。肝心のヘアは、多分丈が長めのコートやジャケット、ボトムスとコントラストが描けるショートが主流。クラシックと言えど、カラーはもう当たり前ですね。淡い暖色系のカラーで、外ハネするショートミディアムがいっぱいだったように記憶しています。
なるほど、ランウエイトレンドは、シルクやサテンなどもっとリッチなテクスチャーや、秋冬らしい“こっくり”カラーに溢れましたが、それよりリアルなヘアスタイリストの手にかかるとレースなどの軽やかな素材、明るいカラーが増えるのですね。なんだかランウエイトレンドの、リアルな解釈を教えられたような気がしました。主力セレクトによる19-20年秋冬のスタイルより、もっと軽やかで明るい印象だったなぁ。「実際は、こんなスタイルが増えるんだろうなぁ」なんて、帰りの新幹線でセレクト展示会のウェブ記事を読みながら振り返った次第です。
そこで「このコンテンツ、もっと上手いことファッションの世界に伝えられないかしら?」と思ったのです。ファッション業界の皆さん、お隣のヘア&ビューティ業界が、次なるトレンドをどう解釈してヘア&メイクを提案しているか?ファッションの観点から言えば、より消費者に近い方々が何で、どうやってトレンドを表現しているのか?気になりますよね?
ビューティ&ヘア業界の皆さんにおいては、例えば全国の販売員が並々ならぬ気合いで臨むロープレ大会で、彼女たちがどんなヘア&メイクで参加するのかを知ることって、ご自身のビジネスに何かを還元できそうでしょうか?
どちらもスゴい規模感と熱意の“甲子園”です。甲子園が野球ファンのみならず大勢を魅了するように、可能性に溢れている気がします。なんか「コレ、もっとうまくシェアできないかなぁ?」と思っちゃうのです。
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