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ユナイテッドアローズが20年3月期業績予想を下方修正 自社ECの開発遅延が響く

 ユナイテッドアローズ(UA)の2019年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比1.1%増の1190億円、営業利益が同7.3%減の88億円、経常利益が同8.2%減の89億円、純利益が同18.9%減の46億円となり、増収減益となった。ネット通販などが伸長したものの暖冬による秋冬商品の値引きなどが影響し、売上総利益率が0.1ポイント低下。自社ECサイトの開発遅延に伴う特別損失を10億円計上した。

 業績悪化に伴い、20年3月期の業績予想を下方修正した。修正後は売上高が1612億円(修正前は1642億円)、純利益が53億円(同67億円)。

 竹田光広社長執行役員は苦戦要因について、「消費増税後の慎重な購買動向」「高気温による冬物衣料の低迷」「自社ECサイト停止による実店舗へのマイナス影響」の3つを挙げ、それぞれの対策について説明した。

 「消費増税後の慎重な購買動向」については、現在の商品群の一部に価格と価値のバランスが崩れたものが見られたとし、価格設定を見直す。競合ブランドの価格低下も認識しているといい、特に「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」の主力とするカジュアル商品の適正価格化が必要だとする。

 「高気温による冬物衣料の低迷」については、今後、暖冬を前提としたMDへ修正する。「春と秋が短く、冬も気温が下がりにくい。暖冬を異常気象と捉えるのではなく、この気象が来年以降も標準的に続くだろうという考えに改める」といい、今秋冬シーズンから新たなMDに取り組む。

 また、「自社ECサイト停止による実店舗へのマイナス影響」については、サイト再開により回復傾向にあるとはしたものの「実店舗への影響は想像以上だった」と述べた。開発中のソフトウェア約12億円分について、今後の利用が見込めなくなった部分の減損処理を行い、約5億円を計上した。「今後も追加で特別損失が発生する可能性がある。可能な限り、今期中に見極める予定で、業績に大きな影響を与える水準となった場合は速やかに開示する」。また「今回の開発遅延の要因と責任の所在を明確にするとともに再発防止に向け、現在内部監査室を中心に社内調整を行っている」といい、「今期末までに調査結果報告と再発防止策を取締役会にはかり、その結果に基づき、代表取締役社長と関係役員でしかるべき責任をとる」と説明した。なお、自社運営への切り替え時期については言及しなかった。

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