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パリの素材見本市が7月に前倒し ミラノ見本市とバッティングか 21年から

 フランス・パリで開催される世界最高峰のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV)」は、2021年から開催時期を大幅に変更すると発表した。22年春夏展の日程は21年2月2~4日、22-23年秋冬展の日程は21年7月6~8日に開催予定で、特に秋冬展は9月から7月に大幅な前倒しになる。これまでアパレルメーカーや出展社からも、プレ・コレクションのビジネスが大きくなり、秋冬展の開催時期が従来の9月では「遅すぎる」という声が上がっていた。イタリア・ミラノのファッション素材見本市「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA、以下MU)」は、17年から秋冬向けの開催時期を9月から7月第1週に前倒し成功を収めている。

 PVはフランスの繊維組合が始めた見本市がルーツになっているが、PVに出展している有力なテキスタイルメーカーの多くはイタリア企業。一方MUはイタリアの繊維ファッション団体が主催者の一つになるなど官民が一体型の見本市になる。開催週が重なれば出展者はどちらかを選ぶ必要に迫られるため、今後大きな波紋を呼ぶ可能性がある。

「この数年9月のPVで成立した商売はほとんどなかった」

 PVに出展し、世界の有力メーカーから高い評価を得ているエイガールズは今回の変更に対して好意的だ。「7月開催は賛成だ。秋冬は春夏に比べて素材を見せる期間が短く、9月にはほとんどのブランドで生地選びが終わっている。ここ数年9月のPVで成立した商売はほとんどなく、9月にPVに出る必要性が薄れていると思い始めた頃だった。欧州は8月が夏休みだからこそアパレルメーカーは7月の早い段階で素材選びをして、テキスタイルメーカーは7月にもらったリクエストを検討して素材開発をして夏休み明けに素材を提案し、ブランド側はそれをすぐにサンプルに当てることができる」。

PVはメーカーにアンケートを実施して決断

 PVは19年末にフランスのモード研究所IFM(Institut Francais de la Mode)を通じて欧州の1765社に対して調査を実施したところ、72%が春夏展の1月末~2月頭の開催を、69%が秋冬展7月頭の開催を支持するという結果を得たといい、さらに出展社のうち66%が1月末~2月頭の開催を、70%が7月頭の開催を支持するという結果を得たため今回の決断に至ったという。

 なお、2020年の開催時期は変わらず、21年春夏向けが2月11~13日に、21-22年秋冬向けが9月15~17日に開催される。

 16年にラグジュアリーブランドのプレ・コレクション向けに始まった「ブロッサムPV」(BLOSSOM PREMIERE VISION)は21年から9月の第2週に開催される予定で、詳細は後日発表される。

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