2020-21年秋冬のニューヨーク・コレクションが6日に開幕しました。今季のNYコレは、「ラルフ ローレン(RALPH AUREN)」御大も「トム フォード(TOM FORD)」様も不在!トム様に至っては、アメリカファッション協議会議長でありながら、アカデミー賞に合わせてロサンゼルスで独自にショーを開催しちゃうという、実に自由なお振る舞いです!さすがトム様……!!というわけで、ここでは、そんな寒風吹きすさぶ状況(実際の天候も猛烈に寒い)をものともせずNYで頑張っているブランドたちや、NYの街で気になったトピックスを「WWDジャパン」編集部の五十君&「WWDビューティ」編集部の北坂が交代でご紹介します。まずはNYコレ初日&2日目のダイジェストをどうぞ!
トップバッター「モンス」はもっと売れてもよさそうなのに……!
今季のNYコレトップバッターは「モンス(MONSE)」。アメリカンクチュールの代表格「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA、以下オスカー)」出身のデザイナーデュオが手掛けており、彼らは今、古巣である「オスカー」のディレクションも担っています。トレンチコートやテーラードジャケットなどのベーシックエレガンスに、パンクやブリティッシュの要素をミックスしてモダンに見せるという内容でしたが、体にびっちり沿うようなテーラリングの仕立ての良さは「さすが『オスカー』仕込み!」といった感じ。かわいいし、世の中のムードもエレガンスに回帰していて追い風だし、もっと売れても良さそうなんですが、NYコレ担当が長い北坂いわく「めっちゃ価格が高いんですよね……」。なるほどね。これがコンテンポラリーゾーンの価格にはまってくるなら個人的に着たいものがいっぱいです!
「ラグ&ボーン」はウォール街での
プロジェクションマッピングが
大迫力
「ラグ&ボーン(RAG & BONE)」は、ウォール街の旧証券取引所という、なんともNYらしい場所での発表。プロジェクションマッピングで投影される、SF映画のようなイメージや森林火災の映像などを背景にモデルが歩いてきます。演出のメッセージ性は強いですが、服自体はとてもリアルなのがこのブランドのいいところ。ローゲージニットの上にビッグサイズシャツを羽織るなど、さまざまなレイヤード術が目に留まりましたが、暖冬下の着こなしアイデアとして日本でもすごく参考になるんじゃないでしょうか。
「ラグ&ボーン」2020-21年秋冬のショーから
レースドレスが人気の
「セルフ-ポートレート」が
強めエレガンスに転向?
凝った作りにも関わらず、比較的お手頃な価格で伊勢丹新宿本店などで好調だと聞く「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」。パステルカラーのレースドレスのイメージが強いですが、今季は黒いエナメルのテーラードコートやタキシードジャケットなど、強めエレガンスからのスタート。「モンス」もそうでしたが、エレガンスの流れがより強くなることは今季の大きな傾向と言えそうです。冒頭のクールなエレガンスも素敵でしたが、やはり売れそう&個人的にも着たいと感じたのはベージュピンクのレースブラウスやサックスブルーのレースのトレンチコートなど。膝下丈のドレスに同素材のパンツを合わせたルックなど、ドレススタイルでのレイヤード術も新鮮。
「セルフ-ポートレイト」20-21年秋冬ショーから
「ロンシャン」では人気モデルの
美佳が堂々のウオーキングを披露
「ロンシャン(LONGCHAMP)」の会場には、女優ののんさんの姿が!そしてブランドアンバサダーを務めるケンダル・ジェンナー(KENDALL JENNER)の姿も!セレブの来場にショー開始前からウキウキしましたが、ショーが始まったら今度はモデルの美佳さんがランウエイに登場!!「トム フォード」にも出ていましたし、今季も美佳さんの大活躍は間違いなしですね。美佳さん以外もスーパーモデル大集合でアガるショーでした。服はセブンティーズボヘミアンの匂いを感じるレトロなスタイルがチャーミングでしたよ。
ブランドアンバサダーのケンダル・ジェンナー
「ロンシャン」のショーに登場した美佳
番外編:さらばバーニーズ
閉店セールにほしいものがない!
会場移動中に、ダウンタウンの「バーニーズ ニューヨーク(BARNEY’S NEW YORK)」店舗に寄り道。米国のバーニーズが経営破綻し、ブランド管理会社に買収されたのは周知の通りですが、現在店頭では在庫処分のセール中です。このセール風景、なかなかに衝撃的でした。バッタ屋さんのバーゲン会場かのように赤札が貼られて、荒れた店頭。そして、「そもそもなぜこの商品を仕入れていたんだろう?安くなっていても全く魅力を感じない」的な謎な商品ラインアップ。……悲しや。マディソン街の旗艦店にはまだ行っていないので、NY出張中にそちらも見てきます。