ECを主力とするイギリスのセレクトショップ、マッチズファッション(MATCHESFASHION)の新最高経営責任者(CEO)に、3月19日付でアジャイ・カヴァン(Ajay Kavan)=アマゾン(AMAZON)国際特別プロジェクト担当バイス・プレジデントが就任する。昨年8月に退任したウルリック・ジェローム(Ulric Jerome)CEOの後任だ。
カヴァン次期CEOは、インドのPSGカレッジ・オブ・テクノロジーで応用科学とコンピュータ技術を専攻後、イギリスのマンチェスター・ビジネス・スクールとアメリカのハーバード・ビジネス・スクールでビジネスを学んだ。これまで25年以上にわたり小売業界に携わり、イギリスとアジアでのマルチチャネルビジネス構築を支援。9年間バイスプレジデントを務めてきたアマゾンでは、世界規模での顧客体験の改善に取り組んだ他、消費財などイギリスとEUにおける主力ビジネスを推進し、イギリス、EU、日本での「アマゾン フレッシュ(Amazon Fresh)」のローンチといったグローバル戦略を主導してきた。
就任について、カヴァン次期CEOは「とてもエキサイティングかつデジタルにおいて革新的なラグジュアリー・ライフスタイルブランドに加われることにワクワクしている。グローバルな顧客のためにビジネスの改善を続けるとともに、事業規模を拡大し、マッチズファッションを皆が誇りに思う職場にするため、才能あふれるチームと一緒に働くのが楽しみだ」とコメントしている。
同社は2017年10月、投資会社のアパックス・パートナーズ(APAX PARTNERS)の傘下に入り、テクノロジーへの投資を加速するとともに物理的な体験を強化。ジェローム前CEOは在任中、“モバイル・ファースト”を掲げ、ロンドン市内への90分配送や香港市場の開拓、韓国語や日本語といったウェブサイトのローカライズ、パーソナルなサービスやさまざまなイベントを行う店舗「5 カルロス プレイス(5 CARLOS PLACE)」のオープンなどに取り組み、ビジネスの発展に貢献してきた。
なお、カンパニーズハウスに提出された書類によると同社の19年1月期の売上高は前期比27%増の3億7200万ポンド(約528億円)、利益は96%減の80万5396ポンド(約1億1436万円)だった。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。