プラダ グループ(PRADA GROUP)は2月から4カ月間、国際連合教育科学文化機関(以下、ユネスコ)の政府間海洋学委員会(以下、IOC)と提携し、海洋サステナビリティと循環経済に焦点を当てた教育プログラムを実施する。同プログラムは、世界各地の中等・高等学校を対象に、海洋と海洋資源に対する意識や責任ある行動について教育し、意識の向上を図ることが狙いだ。
今後、世界10都市(ベルリン、メキシコシティ、ヨハネスブルグ、リスボン、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、パリ、上海、ベニス)の高校教諭がオンライン上のセミナーに参加し、サステナビリティのテーマ(海洋とその重要性、プラスチックごみの海洋汚染問題など)に特化した4回の授業から教育構成の開発方法を学ぶ。最終回の授業には学生も参加し、海洋保全に関する啓発キャンペーンの企画を行い、その中から選ばれたキャンペーンは6月2日から6日まで開催される第2回国連海洋会議で発表する。その後「プラダ」公式サイトなどで公開する。
プラダは今回、プラスチック廃棄物や漁網などを再利用して製作したリサイクルナイロン“ECONYL”を用いたカプセルコレクション「Re-Nylon」の売り上げの一部を同プロジェクトの資金としてIOCに寄付する。また2021年までに、現在使用しているバージンナイロンを“ECONYL”に切り替えることを目標としている。
ロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)=プラダ マーケティングおよびデジタルコミュニケーション部門ヘッドは「文化と教育の推進は、プラダのサステナビリティ戦略の重要な一部だ。ユネスコとの提携はこの方針に沿ったもので、世界中の学生と直接交流する手段を生み出した。製品開発と持続可能な素材に対する取り組みが、海洋に対する意識向上プロジェクトの誕生につながったことを誇りに思う」と述べた。
ウラジミール・リャビーニン(Vladimir Ryabinin)=IOC事務局長兼ユネスコ事務局長補は「海洋が直面している課題は地球規模のもので一つの国や組織だけでは解決しきれない。私たちはプラダと共に、世界中の学生に関心を喚起し、若いエネルギーと創造性を海洋リテラシーの高い社会にするための原動力に転換したいと考えている」と語る。