2017年に「セリーヌ(CELINE)」を去ったフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の業界へのカムバックがうわさされている。
一つは自身の名を冠したブランドを立ち上げるといううわさだ。環境に配慮し定番アイテムに注力するブランドで、そのためにデザイナーと面接中だという。情報筋によると、フィービーは「クロエ(CHLOE)」退任時にはすでに自身のブランド立ち上げに着手していたが、「セリーヌ」からのオファーを受けたため保留したのだという。「クロエ」の親会社であるコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)のヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長とフィービーは親しい間柄のため、ブランドのバッカーとなる可能性もある。
その一方でフィービーは、「アライア(ALAIA)」のデザイナー候補ともうわさされている。「アライア」は17年11月に創業デザイナー、アズディン・アライア(Azzedine Alaia)氏が死去したが、ブランドは継続された。「アライア」もリシュモン傘下のブランドだ。
フィービーからもリシュモンからもコメントは得られなかった。
フィービーはセントマーチン美術大学(Central Saint Martins)を卒業。1997年から「クロエ(CHLOE)」でステラ・マッカートニー(Stella McCartnery)のデザインアシスタントとして従事。2001~06年に同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務め、高い評価を得た。その後、10年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「セリーヌ」ではフィービーのセンスを詰め込んだ、“上質で奇をてらわないがモダンな服”が女性たちの心をつかみ、人気ブランドへと押し上げた。18年のプレ・フォール・コレクションを最後に「セリーヌ」を去った際には“フィービー・ロス”といわれるほどの影響を与えた。
退任後はファッション業界で姿を見かけることも少なくなったが、ここに来て業界への復帰のうわさが複数の情報筋からもたらされている。